だしの香りと旨みは、料理の完成度を大きく左右します。中でも昆布だしは、和食の基本でありながら奥の深い存在です。取り方ひとつで味わいが大きく変わります。今回は、家庭でもすぐに実践できる昆布だしの基本の取り方をご紹介します。あわせて、飲食店や給食施設など業務用に昆布を選ぶ際のポイントもまとめてご紹介します。
昆布だしの基本の取り方
昆布だしの取り方には、大きく分けて「水出し」と「煮出し」の2つの方法があります。それぞれに向き・不向きがあるので、用途に合わせて使い分けるのがおすすめです。
水出し(水出し昆布だし)
水1リットルに対して昆布20g程度を目安に、容器に入れて冷蔵庫で一晩(6〜8時間程度)置くだけです。もっとも失敗の少ない方法といえます。低温でゆっくり旨み成分を抽出するため、雑味や粘りが出にくいのが特徴です。そのため、すっきりとした上品なだしに仕上がります。前日に仕込んでおけば翌日使えます。そのため、営業前の仕込み時間を有効に使いたい飲食店にも向いています。
煮出し(沸騰させないのがコツ)
急いでだしを取りたいときは煮出しが便利です。鍋に水と昆布を入れて弱火にかけます。沸騰する直前(鍋底から小さな泡が出てくるタイミング)で昆布を取り出しましょう。ここで沸騰させてしまうと、昆布のぬめりや臭みが出てしまいます。雑味の原因になるので注意が必要です。
美味しい昆布だしを取るための3つのポイント
- 表面の白い粉と汚れは分けて考える 昆布の表面についている白い粉はグルタミン酸などの旨み成分なので、こすり落とさず残しておくのが基本です。ただし、中国産の昆布は表面に砂や汚れが付着していることが比較的多いです。そのため、白い粉とは別に使用前の下処理が必要です。軽く水洗いするか濡れ布巾で拭き取り、汚れを取り除きましょう。そうすることで、雑味のないすっきりとしただしに仕上がります。
- 沸騰させない 水出し・煮出しいずれの場合も、昆布を沸騰した湯に長時間さらさないことが大切です。これが、雑味を出さない一番のコツです。
- 昆布の使用量を計量する 感覚に頼らず、水1リットルに対して昆布20g前後を基準に計量しましょう。そうすることで、毎回安定した濃さのだしを取ることができます。業務用であれば、日々の味のブレを防ぐためにも計量はとても重要です。
業務用に昆布を選ぶときのチェックポイント
飲食店や給食施設などで昆布をまとめて仕入れる場合は、家庭用とは違った視点での選び方が必要になります。 産地・種類で選ぶ 利尻昆布は上品でクセの少ない澄んだだしが取れます。羅臼昆布は濃厚で香り高いだしが特徴です。真昆布はまろやかで甘みのあるだしが取れるなど、産地によって個性が異なります。提供する料理のジャンルに合わせて選ぶと、お店の味の方向性がぶれにくくなります。なお、中国産の昆布はコストを抑えやすい一方、表面に汚れが付着していることが多いです。そのため、使用前に汚れを落とす下処理が必要です。この手間もふまえて選ぶと安心です。 用途に合った規格を選ぶ だし専用に厚みのある良質な昆布を使うのか、佃煮や昆布巻きなど食材としても使うのかを考えましょう。用途によって、選ぶべき規格は変わってきます。 コストと容量のバランス 業務用のまとめ買いは1kgあたりの単価を抑えられます。一方で、保管スペースや使い切れる量とのバランスも大切です。使用頻度に応じて、無理のない容量を選びましょう。 国産と中国産のコスト差も検討材料に 国産昆布はここ数年価格が上昇しています。そのため、業務用で使用量が多い場合は、コストを抑えられる中国産の昆布を取り入れるのも一つの方法です。下処理をしっかり行えば、業務用のだし取りには十分にお使いいただけます。
まとめ
昆布だしは、水出し・煮出しという基本の取り方を押さえるだけで、家庭でも驚くほど本格的な味わいに仕上がります。業務用として仕入れる場合は、産地や用途、コストのバランスを見ながら、お店や施設に合った昆布を選ぶことが、安定した美味しさへの近道です。
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