「骨取り魚は高いですね」と言われます
当店は、骨を抜いた魚の切り身を業務用にお売りしています。学校給食、病院給食、保育園、社員食堂、仕出し。大量に調理される現場でお使いいただいている商材です。
お問い合わせをいただくと、たいてい最初に言われるのがこの一言です。
「骨取りは高いですね」
そのとおりです。骨を抜いた切り身は、骨の付いたままの切り身より高くなります。隠しても仕方がないので、はっきりお伝えしています。
ただ、何と比べて高いのか。 そのあたりを、少しだけ書かせてください。
なぜ機械で骨を抜けないのか
まず、なぜ高くなるのかをご説明します。
骨取りの作業は、機械ではできません。
魚の小骨は、1本ずつ向きも太さも違います。同じ魚種でも、個体が違えば骨の入り方が変わります。同じ個体でも、切る場所によって変わります。機械に「ここを抜け」と教えられる相手ではないのです。
ですから、ピンセットで1切れずつ、人の手で抜いていきます。 熟練した職人の作業です。当店の商品はすべて、この工程を経ています。
とても細かく、根気のいる作業です。その手間のぶんだけ、原料代のほかに加工賃が乗ります。これが価格の差の正体です。
骨付きと骨なしで、魚そのものは変わりません。 同じ原料から、同じように切り身にしています。違うのは、そのあとに人の手が入っているかどうかだけです。
ただ、その一工程が並大抵ではありません。小骨は1切れに一本ではありませんし、100切を仕上げるには、その何倍もの回数ピンセットを使うことになります。 しかも、抜き残しがあってはいけない仕事です。一日中これを続ける人がいて、はじめて骨のない切り身になります。
その積み重ねが、そのまま価格の差になっています。
比べる相手は、原料代ではありません
ここからが本題です。
骨取り魚を「骨付きの切り身」と比べると、必ず高く見えます。当たり前です。加工賃が乗っているのですから。
では、厨房で骨を取る時間と比べるとどうでしょうか。
100食分の魚から骨を取ると、どれくらいの時間がかかるでしょうか。その時間に何人かかるでしょうか。その時間は、そのまま人件費です。
骨取りの加工賃と、厨房で骨を取る人件費。どちらが大きいか。これは現場ごとに違いますので、私どもが答えを出すことはできません。ただ、比べる相手によって、答えはずいぶん変わってくると思います。
実際、当店の骨取り魚をお使いいただいているのは、ほとんどが大量調理の現場です。ご家庭向けではありません。 数をこなす現場でこそ、計算が合う商材だからです。
そして、骨のクレームがなくなります
もうひとつ、価格の話より重いことがあります。
給食や介護の現場では、魚の骨がいちばん気を遣うところだとうかがいます。
小さなお子様や、飲み込む力の落ちた方に召し上がっていただく現場では、骨が一本残っていただけでご迷惑をおかけしかねません。出す側にとって、いちばん神経を使うところだと思います。
骨取り魚を使えば、そのリスクが下がります。下がるだけで、ゼロにはなりません。 ここも正直に書いておきます。骨は万全を期して取り除いていますが、人の手による作業ですので、極稀に小骨が残ることがございます。
それでも、一尾を丸ごと扱う場合と比べれば、危険はずっと小さくなります。
残食が減る、という声もいただきます
もうひとつ、現場から聞く話があります。
骨を気にせず食べられるので、魚の残食が減るというのです。
骨のある魚は、食べるのに手間がかかります。子どもも、お年寄りも、途中でやめてしまうことがあります。骨がなければ最後まで食べていただける。栄養の面でも、廃棄の面でも、これは小さくない話だと思います。
日本の魚を、なぜ中国で加工するのか
疑問に思われる方がいらっしゃるので、書いておきます。
たとえば当店のぶりは、島根・鳥取産です。それを中国へ送り、骨を抜いて、また日本へ戻しています。輸送のコストをかけてでも、そうしています。
理由は、先ほど書いたとおりです。骨取りは機械化できず、人の手に頼るしかありません。その手を確保できる場所が、いまはそこにあるということです。
なお、ひとつ書き添えておきます。骨取り魚については、産地によって鮮度に大きな差が出ることはあまりありません。
外国産は、獲れた船の上で凍結されることが多くあります。日本産は、港へ持ち帰って近くの冷凍庫で急速凍結することもあります。やり方は違っても、どちらも獲れてから凍るまでが短いのです。
乾物は、どこで干したか・どこで凍らせたかが味に出ます。焼きあごなどはその典型です。ですが冷凍の切り身は、そこが違います。 産地で迷われるより、魚種と献立で選んでいただくほうが確実です。
1切れずつ、バラバラに凍らせてあります
当店の切り身は、1切れずつ個別に急速凍結(IQF)してあります。
板状に固まったものと違い、必要な枚数だけ取り出せます。 明日は80食、明後日は120食、といった日々の増減にそのまま対応できます。使い残す心配がありません。
1切れは約50gに整えてあります。2.5kg(50切)と5kg(100切)の2サイズをご用意しております。
調理の前に、ひとつだけお願いがあります
これは必ずお読みください。
冷凍のまま調理しないでください。 冷蔵庫で、魚の芯まで十分に解凍してからお使いください。凍ったまま火にかけますと、冷凍魚特有の臭いが出てしまいます。
そして、解凍のときに滲み出たドリップは、必ず拭き取ってください。 このドリップが臭みのもとです。ここを省くだけで、同じ魚が別の味になります。
手間のようですが、この二つを守っていただくかどうかで、仕上がりがはっきり変わります。
「骨なし」「骨抜き」「骨取り魚」は同じものです
最後に、呼び方の話を。
骨なし魚、骨抜き魚、骨取り魚、骨なし切身、ボンレスフィッシュ。 どれも同じものを指しています。給食や介護食の現場では「骨取り魚」と呼ばれることが多いようです。
当店では13種類をご用意しています。サバ、ぶり、アジ、縞ほっけ、サケ、マス、赤魚、カレイ、ホキ、メバル、メルルーサ、助宗ダラ、そして白糸ダラ。それぞれのページに、産地と向く料理を書いてあります。
いちばん出ているのはカレイです。癖がなく、フライにも唐揚げにも煮つけにも使えるためだと思います。まず1品目を決めたいという方には、カレイをおすすめしています。
どの魚が献立に合うかは、作られる方がいちばんご存じだと思います。私どもは調理の専門家ではありませんので、そこは出過ぎたことを申しません。
そのかわり、在庫と入荷の見込み、規格、そして入りにくい魚が出たときの代わりになる魚については、いつでもお答えできます。いまお使いの魚が切れそうなとき、値上がりで見直したいときは、お気軽にお尋ねください。
魚の種類から選ぶ
・サバ・赤魚 / サケ・マス / ぶり・カレイ / アジ・ホキ
・縞ほっけ・メバル / サゴシ・白糸ダラ / メルルーサ・助宗ダラ




