「骨取り魚は危険ではないか」。そう心配して調べていらっしゃる方がいます。当店は業務用の乾物と骨取り・骨なし魚切り身を扱う問屋です。売っている側が書くことですので、都合のよいことだけを並べても仕方がありません。ここでは、当店が扱う14種類について、袋の裏に書いてあることをそのまま並べます。読んだうえで、お使いになるかどうかをお決めください。

ご心配は、たいてい三つに分かれます
お問い合わせやご質問でいただく内容をまとめると、気にしていらっしゃるのは、だいたい次の三つです。
- 骨は本当に抜けているのか。子どもやお年寄りにそのまま出してよいのか
- 骨を抜くために、何か余計なものを入れているのではないか
- 加工地が外国であること
順番にお答えします。答えられないことは、答えられないと書きます。
一つめ ― 骨は「ほぼ」抜けています。「完全に」とは書けません
当店の商品ページには、14種類すべてに同じ一文を入れてあります。
骨は万全を期して取り除いておりますが、人の手で行う作業ですので、極稀に小骨が残ることがあります。
この一文を消したことはありません。骨取りは機械ではできない仕事です。ピンセットで一切れずつ、人の手で抜いています。人の手である以上、百に一つ、千に一つを「絶対にない」と言い切ることはできません。
ですので、当店は「骨が入っていない魚」ではなく、「骨を探す手間が要らない魚」としてお使いいただきたいと考えています。サケやサバを一切れずつ触って骨を探していた時間が、ほとんど要らなくなります。そのうえで、お出しになる前のご確認だけはお願いしています。
骨のことをもう少し詳しく書いた記事があります。なぜ機械で抜けないのかは、こちらに書いてあります。
二つめ ― 袋の裏に何が書いてあるか。14種類、そのまま並べます
いちばん確かなのは、原材料表示を見ていただくことです。当店が扱う14種類の産地・加工地・原材料を、商品ページの規格表からそのまま写しました(2026年9月現在)。
| 魚 | 産地 | 加工地 | 原材料 |
|---|---|---|---|
| サバ | ノルウェー | 中国 | サバ |
| アジ | ニュージーランド・ノルウェー | 中国・ベトナム | アジ |
| ホキ | ニュージーランド | 中国 | ホキ |
| 縞ほっけ | アメリカ | 中国 | 縞ほっけ |
| メバル | アメリカ | 中国 | メバル |
| サゴシ | 中国 | 中国 | サゴシ |
| 白糸ダラ | ノルウェー | 中国 | 白糸ダラ |
| メルルーサ | アルゼンチン・ウルグアイ・韓国 | 中国 | メルルーサ |
| 助宗ダラ | アメリカ・ロシア | 中国 | 助宗ダラ |
| 赤魚 | ノルウェー・アイスランド・アメリカ・ラトビア | 中国 | 赤魚、酸化防止剤(V.C) |
| サケ | 日本(北海道)・ロシア | 中国・ベトナム | サケ(ピンク)、酸化防止剤(V.C) |
| マス | 日本(北海道)・ロシア | 中国・ベトナム | カラフトマス(さけ)、酸化防止剤(V.C) |
| ぶり | 島根県・鳥取県 | 中国 | ぶり、酸化防止剤(V.C) |
| カレイ | アメリカ | 中国 | 黄金カレイ、PH調整剤、貝Ca |
並べてみると、はっきり三つに分かれます。9種類は、魚の名前しか書いてありません。 サバ、アジ、ホキ、縞ほっけ、メバル、サゴシ、白糸ダラ、メルルーサ、助宗ダラです。骨を抜いて、切って、凍らせただけということです。
ビタミンCが書いてある4種類のこと
赤魚、サケ、マス、ぶりの4種類には「酸化防止剤(V.C)」と書いてあります。V.C はビタミンCのことです。
この4種類に共通しているのは、身に色があることです。赤や橙の色は、時間がたつと褪せていきます。酸化防止剤は、その名のとおり酸化を防ぐために使うもので、V.C はビタミンCのことです。袋の裏には、そのとおりに書いてあります。
なお、ホキのように魚の名前だけの商品には、当然ながら酸化防止剤は使われていません。商品ページにも「この商品には酸化防止剤を使用しておりません」と表示しています。
カレイだけ、PH調整剤と貝Caが書いてあります
14種類のうち、カレイだけが「黄金カレイ、PH調整剤、貝Ca」です。ここは隠さずに書いておきたいところです。
貝Ca は、貝殻からとったカルシウムのことです。 貝という字が入っています。貝のアレルギーをお持ちの方にお出しになる可能性がある現場では、ここは必ず見ていただきたい一行です。
当店は乾物と冷凍魚の問屋であって、アレルギーの専門家ではありません。ですので「この商品なら安心です」とは書けません。 そのかわり、袋の裏にあることは一つも隠さずにお伝えします。貝のアレルギーが関わる現場では、お出しになる前に原材料表示をお確かめください。
「結着」は、同じ魚の身を元の形に戻すことです
カレイの商品ページには、もう一つ書いてあることがあります。
骨抜き後に結着してあるため、身が少し剥がれることがあります。
カレイは身が薄く、骨を抜くと切り身の形が崩れやすい魚です。そこで抜いたあとに身を合わせて、一切れの形に整えています。これが「結着」です。まったく別の魚をつなぎ合わせているわけではありません。 同じ魚の身を、元の形に戻しているとお考えください。
ただし、つないである以上、加熱したときに少し剥がれることがあります。ここは商品の性質ですので、伏せずに書いています。形をきれいに保ちたい献立でしたら、結着していない縞ほっけやメバルのほうが向きます。
三つめ ― 加工地が中国・ベトナムであること
表のとおり、14種類すべて加工地は中国、または中国とベトナムです。ぶりのように島根県・鳥取県で獲れた魚も、いったん送り出して骨を抜き、また戻ってきています。
理由は一つです。骨取りは機械化できず、人の手に頼るしかありません。その手をまとまった数で確保できる場所が、いまはそこにあるということです。 輸送の費用をかけてでもそうしているのは、他にやりようがないからです。
もう一つ、産地について書き添えます。骨取り魚については、産地によって鮮度に大きな差が出ることはあまりありません。 外国産は獲れた船の上で凍結されることが多く、日本産は港へ持ち帰って近くの冷凍庫で急速凍結することもあります。やり方は違っても、獲れてから凍るまでが短いという点は同じです。乾物は、どこで干したかが味に出ます。冷凍の切り身は、そこが違います。産地でお迷いになるより、魚種と献立でお選びいただくほうが確実です。
この話は、こちらの記事にもう少し詳しく書いてあります。
いちばん多いお申し出は、実は骨ではありません
正直に書きます。骨のことより多くいただくのが、「魚くさい」というお申し出です。そして、その多くは扱い方で変わります。
冷凍のまま調理しないでください。 冷蔵庫で、魚の芯まで十分に解凍してからお使いください。凍ったまま火にかけると、冷凍魚特有の臭いが出ます。
解凍のときに滲み出たドリップは、必ず拭き取ってください。 このドリップが臭みのもとです。ここを省くだけで、同じ魚が別の味になります。
手間のようですが、この二つを守っていただくかどうかで、仕上がりがはっきり変わります。解凍のしかたは、こちらに詳しく書いてあります。
温度は、届くまでずっと下げたままにしています
当店の骨取り・骨なし魚切り身は、営業冷蔵庫・自社冷蔵庫とも-25℃以下で保管しています。 出荷まで温度を上げません。店長の実家がもともと冷凍保管業を営んでおり、温度変化や温度管理には長く関わってきました。
お手元に届いたあとは、冷凍庫で保管してください。生ものですので、解凍後は速やかにお使いください。賞味期限は袋または箱に記載してあり、生産日から1年です。
一切れは約50gにそろえてあり、1切れずつ個別に急速凍結(IQF)してあります。板状に固まったものと違い、必要な枚数だけ取り出せます。使う分だけ出して、残りは凍らせたままにしておけます。
それでも心配が残る場合の、選び方
ここまで読んでも決めきれない、という場合の目安を書いておきます。
- 原材料表示をできるだけ短くしたい … 魚の名前しか書いていない9種類から選ぶ。ホキ、縞ほっけ、アジあたりが使いやすいです
- 貝のアレルギーを気にされる現場 … カレイの原材料表示をお確かめください
- まず少しだけ試したい … どの魚にも2.5kg(50切)があります。5kg(100切)の前に、こちらでお試しください
- 魚の種類で迷う … 献立から選ぶほうが早いです。魚ごとの持ち味は、下の記事に分けて書いてあります





