かつお節以外にも、節はいろいろあります。当店では、さば節、宗田節、まぐろ節、いわし節、うるめ節、サンマ節を扱っています。
どれも「節」と呼ばれますが、原料の魚が違えば、出るだしはまるで違います。かつお節が高値の続くいま、他の節を知っておくことは、仕入れの幅を広げることにつながります。
この記事では、当店で扱っている節を一つずつご説明します。原料の魚、産地、そしてどんなだしが出るか。仕入れの判断にお使いください。
節とは何か
はじめに、節の作り方を整理しておきます。
煮干しは、魚を茹でて干したものです。節は、いったん煮干しにしたものを、さらに燻して干し上げたものです。この「燻す」工程があるかないかが、煮干しと節の分かれ目になります。
燻すと、香ばしさが付きます。そして、煮干しにありがちな臭みが少なくなります。同じ魚から作っても、煮干しと節では味が変わるのはこのためです。
原材料欄の書き方にも決まりがあります。節そのものは魚から作りますので、原材料には魚の名前を書きます。節を削ったものや粉にしたものは節が原料ですので、「かつおのふし」「さばのふし」のように書きます。一段さかのぼって、その商品が何からできているかを書くのが決まりです。
まぐろ節|癖が少なく、上品
まぐろ節は、かつお節よりも癖の少ない、上品な旨みが特徴です。燻製香が少なく、旨みが強いのが持ち味で、料亭でも重宝されています。
かつお節のはっきりした香りが強すぎる、という場面があります。素材の味を邪魔したくないお椀や、繊細な味付けの料理です。そういうときに、まぐろ節が生きます。
マグロ節厚削り 1kgは、鹿児島県産のマグロ節を職人が厚削りにしたものです。原材料は「まぐろのふし(キハダ・メジ)」と書いています。キハダマグロとメジマグロが原料です。
使い方はかつお厚削りと同じで、30分以上煮出して濃厚なだしをお取りください。
まぐろ節について、正直に書いておきます
マグロ節については、お客様にお伝えしておきたいことがあります。
原料事情によりマグロ節の生産量が少なく、入荷が不安定になりやすい商品です。お使いいただいている途中で入荷が止まることがあります。
また、マグロ節は天然の魚から作りますので、削りの色目は入荷のたびに変わります。同じ商品を続けてご注文いただいても、前回と色が違うことがあります。品質の問題ではなく、原料の魚が違うためです。
そしてもうひとつ。削り粉や小さめの削りを取り除くと、歩留まりが落ちます。そのぶん2割ほど値が上がります。当店では、だしを取るのに差し支えのない範囲のものまで入れて、そのぶんお求めやすい価格でご用意しています。
見た目を揃えることにお金をかけるか、だしの質を保ったまま価格を抑えるか。当店は後者を選んでいます。だしを取る用途でしたら、この選び方のほうが理にかなっていると考えています。
さば節|脂の乗った生原料ならではのコク
さば節は、コクのあるだしが出ます。かつお節が香りだとすれば、さば節は厚みです。合わせて使うと、味に土台ができます。
ここで、さば節の原料について書いておきます。
通常、削り節の原料には脂のないサバを使います。脂があると削りにくく、酸化もしやすいためです。ところが、脂のないサバは削り原料には適していても、旨味が少ないのが実情です。
当店のさば節(牛深) 18kgは、牛深産の生原料のさばを節に加工したものです。脂の乗った原料ですので、コクがあります。
頭と腹を取ってありますので、頭付きのさば節に比べて歩留まりが3割ほど悪くなります。頭と腹を取る手間賃もかかります。それでもこの価格でお出しできているのは、加工前の原料の状態で仕入れているためです。
18kgですので冷凍便での発送はできません。140サイズでの発送となります。1kg、5kgのご用意もありますので、まずは少量からお試しいただけます。
いわし節|煮干しより臭みが少ない
いわし節は、マイワシをいったん煮干しにし、その後燻製にしてから干し上げて作られます。
いわし節(牛深) 12kgは、熊本県牛深で作られたいわしの節です。原材料はマイワシです。適度に脂ののった平子イワシを使っています。
いわし節の良いところは、燻製してあるために煮干しにありがちな臭みが少ないことです。煮干しの風味は欲しいけれど、臭みが気になる。そういう場面で使えます。燻製ならではの香りとコクもあります。
製造工程の都合で、頭が取れやすく折れが多くなっています。火を入れているためです。味や品質に問題はありません。だしを取る用途でしたら、折れは気になりません。
こちらのいわし節にも酸化防止剤を使用しておりません。
うるめ節|脂が多いと煮干しは作れない
うるめ節の話は、乾物の面白さがよく出ています。
うるめ節 15kgは、熊本県牛深産の脂の乗ったうるめいわしを燻製にして干し上げたものです。大きさは12cmから15cm位です。
ここで大事なのは、脂が多いと、うるめいわし煮干しは作れないという点です。
煮干しは、茹でて干すだけです。脂の多い魚でそれをやると、脂が酸化して味が落ちます。ですから煮干しには、脂の少ない魚を使います。
では、脂の乗った良い魚はどうするか。燻製にして、節にするのです。燻すことで、脂の多い魚でも保たせられます。コストと手間はかかりますが、そうやってうるめ節が生まれます。
つまり、うるめ節はうるめいわし煮干しよりも脂が乗った、良い魚を原料に使っているということになります。だしの味も、そのぶん濃くなります。
系統としてはサンマ節に似ていますが、サンマ節よりも脂が少なく、味は少しマイルドです。あっさりとしたコクがあります。
サンマ節|コクがあり、甘みがある
サンマ節は、コクがあり甘みのある、美味しいだしが出ます。ラーメン店、うどん店、そば店のお客様に人気の、希少な節です。
サンマ節 10kgは、宮城産のサンマを熊本県牛深で加工したものです。大きさは15cm以上、黄金色に輝く仕上がりです。
サンマ節も、サンマをいったん煮干しにしてから燻製をかけ、干し上げて作ります。うるめ節と同じ作り方です。
頭はかなり取れやすいので、輸送中に取れるものとお考えください。だしを取る用途では差し支えありません。
産地と加工地は、別のものです
サンマ節の規格表をご覧いただくと、産地は宮城県、加工地は熊本県となっています。
魚が獲れた場所と、節に加工された場所が違うのです。宮城で獲れた新鮮なサンマを、煮干し・節加工のプロが集う熊本県牛深まで運んで加工しています。
当店の商品ページでは、産地と加工地を分けて書いています。同じ「サンマ節」でも、どこで獲れてどこで加工されたかで、仕上がりは変わります。仕入れの際は、この2つの欄をご覧ください。
節の選び分け
| 節 | 原材料 | だしの方向 |
|---|---|---|
| まぐろ節 | まぐろのふし(キハダ・メジ) | 燻製香が少なく癖が少ない。上品な旨み |
| さば節 | さば | 脂の乗った原料ならではのコク |
| いわし節 | マイワシ | 燻製の香りとコク。煮干しより臭みが少ない |
| うるめ節 | うるめいわし | あっさりとしたコク。サンマ節よりマイルド |
| サンマ節 | サンマ | コクがあり甘みがある |
合わせて使うと、味に幅が出ます
だしは、一種類より何種類か合わせたほうが味に幅が出ます。単一の材料で取っただしは、きれいですが平坦になりがちです。
かつお節に、さば節でコクを足す。まぐろ節で癖を抑える。いわし節で香りを変える。組み合わせは無数にあります。
お店の味を作るのは、この配合です。当店では材料をご用意するところまでで、割合はそれぞれのお店にお任せしています。まずは何種類か少量ずつお取り寄せいただいて、お手元で試していただくのが早道です。
保管のこと
節も、煮干しと同じように酸化します。酸化が進むと香りが抜けます。
当店では、出荷の直前まで冷凍で保管しています。営業冷蔵庫では-25℃以下、出荷の直前まで-15℃です。常温で保管されているものに比べて、香りの抜けがありません。
お手元に届いてからは、乾物ですので常温でも置けますが、美味しさを保つには冷蔵をおすすめします。冷凍がいちばんです。賞味期限は冷蔵で半年です。
商品の一覧
節の一覧はいわし節、うるめ節、さば節、宗田節、サンマ節、サンマ煮干しの各ページからご覧いただけます。
節を粉にしたものについては魚粉・煮干し粉・パウダーの一覧をご覧ください。粉は表面積が大きいぶん、短い時間でだしが出ます。仕込みの時間が取れないときに向いています。
かつお節についてはかつお厚削り、食べる煮干しの一覧をご覧ください。





