当店は業務用の乾物と冷凍魚を扱う問屋です。骨取り・骨なし魚切り身は、十数年お取り扱いを続けている商品です。
この記事では、その骨なし魚を実際にどういう現場が、どういう理由で使っておられるのかを書きます。カタログには載らない話です。長くお取引をいただく中で見えてきたことを、そのままお伝えします。
いちばん多いのは、介護施設と保育園・幼稚園です
骨なし魚をお使いいただいている現場は、大きく分けて介護施設と保育園・幼稚園の給食の二つです。
この二つは、数量でほぼ並んでいます。強いて言えば、介護施設のほうが若干多いという程度です。どちらかが主でどちらかが従、という関係ではありません。
ただ、選ばれ方はまったく違います。
介護施設では、サケとサバがよく出ます
介護施設のお食事では、サケとサバに、はっきりと偏ります。
召し上がるのはご高齢の方ですから、長年親しんでこられた魚が選ばれるのだと考えています。焼き魚、煮つけ。献立の中心に据わる魚です。名前を聞いただけで何が出てくるか分かる、その安心感が選ばれる理由なのだろうと思います。
保育園・幼稚園では、骨があると困ります
いっぽう、保育園・幼稚園の給食をお作りの現場で選ばれる理由は、はっきりしています。骨があると困るからです。
小さなお子様は、口の中の違和感を自分でうまく伝えられません。だからこそ、出す側は一切れずつ骨を確かめることになります。50人分、100人分となれば、その確認だけで調理の時間がまるごと持っていかれます。骨抜きの済んだ切り身は、この工程をそっくり省きます。
骨なし魚は「手抜き」の商品ではありません。確認という工程を、加工の段階に移した商品です。
学校給食は、実はほとんどありません
意外に思われるかもしれませんが、小学校・中学校の給食で当店の骨なし魚が使われることは、ほとんどありません。
「給食に骨なし魚」と聞くと学校を思い浮かべる方が多いのですが、実際のご注文は、ほとんどが保育園・幼稚園です。学校給食は献立も調達の仕組みも別に組まれていることが多く、当店のような問屋から直接という形にはなりにくいのだと考えています。
ですので、当店が骨なし魚のことを考えるときは、いつも介護施設の厨房と、保育園・幼稚園の厨房を思い浮かべています。
保育園・幼稚園は、魚をまんべんなく選ばれます
もうひとつ、保育園・幼稚園の現場には特徴があります。魚の種類にあまりこだわられません。
カレイもサバも赤魚もホキも、まんべんなくご注文をいただきます。「この魚でなければ」という指定は少なく、その週その週で献立に合うものをお選びになる形です。
これは当店にとってありがたいことでもあり、責任のあることでもあります。どの魚を選ばれても、骨がないという一点は同じでなければならないということですから。
赤魚やメバルが選ばれるのは、見た目のためです
介護施設では、赤魚やメバルもよくお使いいただきます。
この2つに共通するのは、皿の上で映えることです。赤魚は皮の赤みが、メバルは身の白さと形が、そのまま献立の華やかさになります。
毎日の食事は、召し上がる方にとっては数少ない楽しみです。焼いて皿に置いたときに「今日はごちそうだ」と思っていただけるかどうか。そこまで含めて魚を選んでおられるのだと、ご注文の傾向を見ていて感じます。
フライや洋食には、また別の魚が選ばれます
同じ現場でも、洋食の日は選ばれる魚が変わります。
フライやムニエルのように衣をつける料理では、魚そのものの見た目が表に出ません。そのぶん、単価の抑えめな白身魚が使われる傾向があります。ホキ、メルルーサ、助宗ダラ、白糸ダラといった魚です。
これは手を抜いておられるということではありません。献立ごとに、どこにお金をかけるかを決めておられるということです。焼き魚の日はサケやサバ、フライの日は白身魚。理にかなった使い分けだと思います。
お弁当・仕出しの現場は、価格の縛りが強い
お弁当屋さん・仕出しの現場も、骨なし魚をお使いいただく大きな柱です。
ここは事情がまた違います。売値が先に決まっているのがこの業種です。一食いくらと決まった中で材料を組むわけですから、魚に使える幅はどうしても限られます。
ですので基本は単価の抑えめな魚になります。ただ、それでもサケやサバが選ばれることがあります。
蓋を開けたときに何の魚か分かること。お品書きに書いたときに伝わること。その価値のために、あえて材料の幅を削っておられるのだと考えています。お弁当は開けた瞬間がすべてですから。
骨を抜くのは、人の手の仕事です
ここまで現場の話を書いてきましたが、その現場を支えている加工の話も少しだけ。
魚の骨は、機械では抜けません。
骨の入り方は一尾ごとに違います。同じ魚種でも、大きさが違えば骨の並びも変わります。ですから当店の骨取り・骨なし魚切り身は、一切れずつ人の手で骨を抜いています。
骨なし魚が普通の切り身より手間のかかる商品であるのは、この工程があるからです。厨房で一切れずつ骨を確かめていた手間を、加工場が代わりに引き受けているとお考えいただくのが、いちばん実態に近いと思います。
一切れ約50g。数えるだけで分量が決まります
当店の骨取り・骨なし魚切り身は、一切れ約50gにそろえてあります。
これは現場にとって、骨がないことと同じくらい大事な点です。人数の決まった現場では、数えるだけで一食あたりの分量が決まるからです。一切れずつ量る必要がありません。
容量は2.5kg(50切)と5kg(100切)の2つからお選びいただけます。園やフロアの規模に合わせてお使いください。
出荷直前まで冷凍で保管しています
骨なし魚は冷凍品です。当店では出荷の直前まで冷凍で保管しています。
また、切り身は一切れずつバラバラに凍らせてあります。かたまりで凍っていると、使いたい枚数だけ取り出すことができません。バラで凍っていれば、必要な枚数だけ出して、残りは冷凍庫に戻せます。
使う分だけ出せる、というのは現場ではとても大きなことです。
魚の種類から選ぶ
当店では次の魚をお取り扱いしています。それぞれ2.5kgと5kgをご用意しています。
すべての魚をまとめてご覧になる場合は、骨取り・骨なし魚切り身の一覧からどうぞ。





