業務用だしの原価計算とメニュー価格設定の考え方

うるめ煮干し(平子・タレ混:長崎) 8.5kg【訳あり特価】|
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業務用の厨房では、だしのコストを把握してメニュー価格に反映させることが、安定した経営につながります。ただ、ここでよく起きるのが「乾物の単価だけを見て判断してしまう」という取り違えです。

原価は、素材費だけでできているわけではありません。この記事では、当店から見えている範囲で、だしの原価をどう分解して考えるかをご紹介します。

はじめに ― この記事に金額は出てきません

あらかじめお断りしておきます。当店のブログには、具体的な金額を書かないことにしています。

理由は単純で、価格改定があったときにブログだけが古いまま残ってしまうからです。古い数字が独り歩きすると、お客様にご迷惑をおかけします。価格は必ず商品ページでご確認ください。

ですのでここでは、考え方の枠組みだけをお伝えします。数字はご自身の厨房で入れていただく形になります。

原価は、3つに分けて考えると見えてきます

  • 素材費 … 1食あたりに実際に使う乾物の量
  • 仕込みの手間 … 折る、下処理する、漉す、といった作業の時間
  • ロス … 保管中の劣化、下処理での目減り、使い切れなかった分

この3つのうち、真ん中と右のふたつが抜け落ちたまま「単価が安いほう」を選んでしまうことが、実際にはよくあります。

①素材費 ― 「重さあたりの単価」ではなく「1食あたり」で

単価が同じでも、取れるだしの量が違えば、1食あたりの負担は変わります。比べるべきは「重さあたりの単価」ではなく、「1食あたりに実際にかかる量」です。

この見方をするには、一度だけ歩留まりを測っておく必要があります。使った乾物の重量、仕込んだ水の量、出来上がっただしの量、だしがらの重量。この4つを同じ条件で2回から3回記録すれば、その素材の目安が出ます。

形によっても取れ方が変わります。丸のままの煮干し厚削り粉末では、だしの出方も、下処理の要否も違います。粉末は粒が細かいぶん湯に触れる面積が大きく、だしが出やすい形です。

②仕込みの手間 ― ここがいちばん見落とされます

原価表に載らないぶん、忘れられやすいのが人の時間です。

節について。当店が扱う節は、脂が多く柔らかめのものを仕入れています。柔らかいので手やハンマーで折りやすく、だしも出やすいためです。硬い節を割る作業がどれだけ手間か、実際にやってみられた方はご存じかと思います。

混合だしについて。あごだし混合だしとかつお椎茸昆布だしは、小骨を網で振るって取り除いてあります。そのため漉す手間を減らしてお使いいただけます。ただし小骨が完全にゼロになるわけではありません。天然のだしですので、口に残る感じがありますし、汁も濁ります。ここは正直にお伝えしておきます。

粉末について。当店の粉末は原料を粉砕しただけですので水には溶けず、粉は残ります。ただ、味噌汁やラーメンスープのように粉が入ったままでも差し支えのない料理では、そのままお使いいただけます。漉す作業がまるごと減るぶん、仕込み時間には効いてきます。

③ロス ― 保管と下処理で減る分

保管。当店では煮干しやパウダー類を、営業冷蔵庫で-25℃、自社冷蔵庫では出荷直前まで-15℃で保管しています。お手元でも冷蔵・冷凍で保管していただくと、風味が保てます。とくにサバ節・宗田節はカビが生えやすいので、届いたら冷蔵庫または冷凍庫に入れてください。使う前に傷んでしまえば、それがそのままロスです。

下処理。小さな煮干しは頭を取らなくてもエグミが出にくく、大きな煮干しは逆に頭とはらわたを取ったほうが良いだしが取れます。ただし取れば、その分は目減りします。サイズの選び方は、原価にも関わってくるということです。

「骨取り魚は高い」と言われたときの説明

給食や介護の現場でよくいただくご質問です。

骨付きと骨なしで、魚そのものは変わりません。違うのは、骨を取る工程が入っているかどうかです。そしてその一工程が並大抵ではありません。

見るべきは切り身の値段そのものではなく、厨房で骨を取る時間と、提供時のリスクまで含めた全体です。学校給食や介護施設で骨取り魚が選ばれているのは、そこを合わせて見たときに答えが変わるからです。

メニュー価格に落とすとき

素材費・手間・ロスの3つが見えたら、あとは目標とする原価率から逆算していく形になります。

ここから先は、お店ごとの経営判断です。客層も、立地も、提供スピードも違いますので、当店から「この価格にしましょう」と申し上げることはありません。ただ、判断の材料になる素材の事実でしたら、いくらでもお出しできます。

まとめ

だしの原価は、素材費・仕込みの手間・ロスの3つに分けると見えてきます。単価だけを見て選ぶと、手間とロスのぶんで逆転することがあります。

一度だけ歩留まりを測っておくこと。形(丸のまま・厚削り・粉末)で取れ方が変わることを知っておくこと。この2つがあれば、仕入れの比較が数字でできるようになります。

素材そのものについては、各商品ページに産地・加工地・原材料を記載しています。価格も商品ページでご確認いただけます。

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