煮干しの保存方法|冷蔵が基本、冷凍がいちばん確実な理由と、開封後の扱い

煮干しの保存方法

「煮干しは乾物だから、常温で置いておいても平気ですよね」。ときどき、そうお尋ねいただきます。お気持ちはよく分かります。乾いているものですし、袋の見た目も落ち着いていますので、棚に置いたままでも大丈夫そうに見えます。

ただ当店は、商品ページの保管方法の欄に、こう書いております。

「乾物ですが、美味しさを保つ為に当社では冷蔵を推奨します。(冷凍がベストです)」

この記事では、なぜそう書いているかと、お手元に届いてからの扱い方を、一とおり書きます。5kgや10kgでお持ちになる業務用のお客様に向けた話が中心ですが、1kgでお使いの方にもそのまま当てはまります。西日本でいりこと呼ばれているものも同じですので、あわせてお読みください。

この記事に書いてあることを、先に並べておきます。

  • 常温・冷蔵・冷凍のどれに置くか
  • 賞味期限の「冷蔵で半年」が指しているもの
  • 開封したあとの持ちについて、当店が日数を申し上げない理由
  • 重さによって荷姿が三通りあること。届いた日にしていただきたいこと(箱物の扱いも)
  • 入れ物の選び方と、匂いの行き来
  • 冷凍庫からの出し入れ
  • 傷んだ煮干しの見分け方

先に、当店のお答えを書きます

迷われたときのために、結論から並べます。

置き場所 当店の考え
冷凍 いちばん確実です。当店も出荷の直前まで冷凍で持っています
冷蔵 基本の置き場所です。商品ページでお勧めしているのはここです
常温 お勧めしておりません。傷むというより、味が落ちていきます

「冷凍がいちばん良いのに、どうして冷蔵をお勧めしているのだろう」と思われるかもしれません。理由は場所です。冷凍庫はどこのお店でも埋まっていることが多いからです。冷蔵でも十分に持ちます。そのうえで、場所に余裕があるなら冷凍がさらに確実です、という順でお伝えしています。

そして、置き場所と同じくらい大事なものがもう一つあります。密閉です。これは後の節でくわしく書きます。

「いりこ」と呼んでおられる方へ

西日本では、煮干しのことをいりこと呼びます。この記事に書くことは、そのままいりこにも当てはまります。

いりこと煮干しは、同じものです。呼び方が地域で違うだけで、別の商品ではありません。ですので「いりこの保存方法」をお探しの方も、この先に書く冷蔵と密閉の話を、そのままお使いいただけます。

呼び名の違いについては、いりこと煮干しの違いにくわしく書いてあります。あわせて、平子・タレ・かえり・上といった呼び名の読み方もまとめてあります。

常温に置くと、起きること

煮干しが常温で悪くなっていく道筋は、大きく二つです。

一つめ ── 脂の酸化

煮干しの劣化は、多くの場合、身に残っている脂が酸化することで進みます。油臭さが出て、色が黄ばんできます。そして酸化は、温度が高いほど早く進みます。

当店が煮干しを仕入れるとき、脂をとても気にしているのはこのためです。瀬戸内のものは脂が乗りやすい傾向がありますので、きちんと選ばないと酸化の匂いが出やすくなります。そこで当店は、秋以降の、脂が抜けた時期のものを仕入れています。魚が痩せている時期を狙って買い入れている、と言ったほうが正確です。

脂の少ない魚を選んで、低い温度で持つ。この二つを重ねることで、酸化を遅らせています。お手元でも、同じ考え方が使えます。

二つめ ── 湿気

乾物にとって、湿気はいちばんの敵です。空気中の水分を吸うと、身がしんなりしてきます。そしてある線を越えると、カビが出ます。

これは梅雨どきや夏場だけの話ではありません。厨房は火と湯気を使う場所ですので、一年を通して湿気があります。棚に置いてある袋が、調理のたびに湿った空気にさらされていることになります。

この二つ、脂の酸化と湿気。どちらも冷蔵庫に入れておくだけで、進み方がぐっと遅くなります。

賞味期限は「未開封で、冷蔵で半年」です

商品ページの賞味期限の欄には、こう書いてあります。

「冷蔵で半年」

この数字は未開封の状態のものです。袋を開けていない、冷蔵庫に入っている、という前提で半年、とお考えください。

ここで一つ、お伝えしておきたいことがあります。

開封してからの持ちは、申し上げようがありません

「開けたあとはどれくらい持ちますか」というお尋ねを、よくいただきます。正直に書きますと、ここは当店から日数を申し上げることができません。

理由ははっきりしています。扱い方が、お店によってまるで違うからです。

  • 一度開けたら、その日のうちに使い切るお店
  • 毎日少しずつ出して、そのたびに密閉して冷蔵庫へ戻すお店
  • 開けた袋を口を折っただけで棚に置くお店

この三つで、同じ煮干しでも持ちがまったく違います。ですので「開封後○日」という数字を当店が決めて出すと、かえって当てになりません。

そのかわりに、はっきり申し上げられることがあります。

冷蔵庫に入れておいて、きちんと密閉されていれば、かなり長持ちします。

密閉と冷蔵。この二つが揃っているかどうかが、開封後の持ちを決めます。日数を数えるより、この二つができているかを見ていただくほうが確かです。

当店は、答えようのないことを、それらしい数字にして出さないようにしています。粉やパウダーの粒の細かさについて「何メッシュですか」とお尋ねいただいたときも、当店は篩を通して選り分けていませんので、その物差しが当てはまりません、とそのままお答えしています。それと同じです。

業務用の荷姿は、三通りあります

ここは、5kgや10kgでお持ちのお客様に、いちばん読んでいただきたいところです。

当店の荷姿は、重さによって違います。商品ページの荷姿の欄に書いてあるとおりです。

重さ 荷姿
1kg以下 袋に入れ、シーラーで閉じております
5kgまで 大きな袋に入れ、口を折っております。湿気がこもらないよう、閉じてはおりません
5kgより重いもの 段ボールに直接お入れしております。量が多いものほど通気が要るためです

下の二つは、どちらも閉じていない状態でお届けしているということです。

5kgまでの大きな袋の口を折っただけにしてあるのも、5kgより重いものを段ボールに直接お入れしているのも、理由は同じです。量が多いものほど、輸送の間の通気が要ります。閉じてしまうと、中で湿気がこもります。

段ボールについては、食品を直接お入れできる加工をしたものを使っております。ただ、煮干しや節は魚の脂が出ることがありますので、箱に染みがつくことがあります。驚かれないよう、先に書いておきます。

そして、ここからが大事なところです。この荷姿は、輸送のためのものであって、保管のためのものではありません。

袋でお届けしているものは、保管されるときに口を閉じていただくのが確かです。使いやすい量に小分けにして、密閉できる袋や容器へ移していただくのが、いちばん良い形です。

いっぽう段ボールに直接お入れしているものは、箱を密閉することができません。10kgの煮干しが入る密閉容器を用意するのも、なかなか大変だと思います。ですので、箱のまま冷蔵庫へお入れになるお店も多いと思いますし、それで構いません。

そのうえで、ほかの食材との匂いの行き来が気になる方は、密閉できる入れ物に移していただくなどの手をお考えいただければと思います。お店のご都合に合わせて、できる範囲でお願いします。

小分けにすると、もう一ついいことがあります。毎日開ける袋が小さくなります。5kgの袋を毎日開け閉めすると、そのたびに全部が空気に触れます。1週間分ずつ小分けにしておけば、残りの袋は閉じたままにできます。

届いた日の、簡単な段取り

言葉で並べると長くなりますので、順番にしておきます。届いた日にこれだけしておいていただければ、あとは楽になります。

順 すること 理由
1 箱を開けて、中の状態を見る 袋が破れていないか。段ボール直接のものは、そのまま2へ
2 使いやすい量に小分けにする 毎日開ける袋を小さくするためです
3 空気を抜いて、口を閉じる 湿気と匂いを止めます。箱物は、できる範囲で
4 届いた日を書いておく 古いものから先に使うためです
5 冷蔵庫か冷凍庫へ入れる ここまでを、その日のうちに

手間に見えるかもしれませんが、かかるのは十分ほどです。この十分が、そのあとずっと効いてきます。

とくに大事なのは、その日のうちに済ませることです。「あとで片づけよう」と棚に置いたままにした一日が、夏場ではいちばん効いてしまいます。

入れ物は、密閉できるものを

入れ物選びで見ていただきたいのは、次の二つです。

見るところ 理由
密閉できるか 湿気を入れない。そして匂いの行き来を止める
大きさが合っているか 大きすぎると中に空気がたくさん残ります

このうち、案外見落とされがちなのが匂いです。

煮干しは、まわりの匂いをよく吸います。冷蔵庫に入れておくと、ほかの食材の香りが煮干しに移ることがあります。そして逆に、煮干しの匂いがほかのものへ移ることもあります。冷蔵庫の中で、両方向に起きます。

ジッパー付きの袋をお使いになるときは、空気をできるだけ抜いてから閉じてください。容器をお使いになるときは、蓋がきちんと閉まるものを選んでいただくと安心です。

袋の開け方に、ひと工夫

細かい話ですが、効きますので書いておきます。

当店の1kgの袋は、シーラーで閉じてあります。開けるときに袋の上のほうを、できるだけ細く切っていただくと、そのあとが楽になります。

大きく切ってしまうと、残りを閉じるときに折る幅が足りなくなります。細く切っておけば、クリップで留めるにしても、ジッパー付きの袋へ移すにしても、余裕が残ります。

全部を小分けにせず、袋のまま残される場合は、口を折ってから留めると、ただ留めるより空気の出入りが減ります。折り目を二回作っていただくと、なお確かです。

もっとも、いちばん確かなのは密閉できる容器か袋へ移すことです。ここは、お店の使い勝手で決めていただくところだと思います。

小分けの量は、どう決めるか

「小分けに」と申し上げましたが、どれくらいに分ければよいかは、お店によって違います。目安の決め方だけ書いておきます。

基本は、一袋を開けてから使い切るまでが短くなる量です。一週間で使い切れる量にしておけば、開けた袋が長く空気にさらされることがありません。

毎日たくさんお使いになるお店なら、一日分ずつでも構いません。逆に、一週間でも使い切れないくらいのご使用量でしたら、小分けの袋を小さくするより、お持ちになる量そのものを見直していただくほうが効きます。

お持ちの量が多いほど単位あたりのお求めやすさは上がりますが、使い切るまでに時間がかかると、そのぶん味は落ちていきます。回るくらいの量でこまめにお持ちいただくほうが、結局は良い味でお使いいただけます。当店が1kgから10kgまで、いくつかの容量をご用意しているのはこのためです。

どの容量をお選びになるかは、お店のご使用量から決めていただくところです。まとめ買いの考え方を別の記事に書いてありますので、そちらもご覧ください。

冷凍するときに、気をつけたいこと

冷凍はいちばん確実な置き方ですが、一つだけ気をつけていただきたいことがあります。出し入れのときの結露です。

冷えた煮干しを常温の厨房に長く置くと、空気中の水分が身や袋の内側に水滴になって付きます。せっかく低い温度で持っていたのに、そこで湿気を与えてしまうことになります。

当店のお勧めは、はっきりしています。

使う分だけ出して、すぐしまう。

袋の温度が上がらないうちに、必要な量を取り出してしまえば、結露は問題になりません。袋ごと常温に戻して、冷えるまで待って、という手間は要りません。短い時間で済ませることが、いちばん確かです。

ですので、ここでも小分けが効いてきます。1週間分ずつ小分けにしてあれば、冷凍庫から出すのはその一袋だけで済みます。

冷蔵庫の、どのあたりに置くか

同じ冷蔵庫の中でも、場所によって条件が少し違います。

いちばん温度が上がりやすいのは、扉の側です。開け閉めのたびに外の空気が入りますので、奥のほうに比べると温度の上がり下がりが大きくなります。よく出し入れする食材には便利な場所ですが、長く置いておくものには向きません。

煮干しのように、開けるのが一日に一度か二度で、長く置いておくものは、奥のほう、温度の動きが小さいところに入れておいていただくのが確かです。

もう一つ、床や壁に直に触れさせないということも、気にしていただけると良いと思います。とくに床は、結露が出たときに湿気が溜まりやすい場所です。すのこや棚を一枚はさむだけで違います。

このあたりは、厨房の作りによって事情が違うと思いますので、できる範囲でと思っていただければ十分です。密閉さえできていれば、置き場所の細かい差は大きく響きません。

脱酸素剤は入れていません

お尋ねをいただくことがありますので、書いておきます。当店の煮干しに、脱酸素剤は入れておりません。

当店の考え方は、剤で持たせるのではなく、温度で持たせるというものです。冷蔵か冷凍で置いていただければ、酸化はそもそもゆっくりになります。

同じ考えで、当店は酸化防止剤も使っておりません。原料そのものを選び、低い温度で持つ。この二つで足りると考えているからです。

傷んだ煮干しは、この二つで分かります

お手元の煮干しがまだ使えるかどうか、見ていただくところは二つです。

一つめ ── カビ

湿気を含むと、カビが出ます。これが出てしまったものは、使わないでください。

カビが出ないようにするために、当店は冷蔵保管をお勧めしています。順番としては、冷蔵で持つ理由の一つがここにある、という形です。

二つめ ── 匂いが強くなる

もう一つは匂いです。置いているうちに、匂いが強くなってきます。買ったときと比べて、袋を開けたときの匂いがきつくなっていたら、脂の酸化が進んでいます。

この二つを見ていただければ、判断がつきます。難しい道具は要りません。袋を開けて、目で見て、匂いを嗅ぐ。それで分かります。

なお、カビが出てしまったとき、虫がわいてしまったときの対処は、別の記事にまとめてあります。

常温に置くと、どれくらいで変わるか

ここも、よくいただくお尋ねです。そして、ここも日数では申し上げようがありません。

変わる早さを決めているものが、いくつも重なっているからです。

  • その日の気温と湿度
  • 袋が密閉されているか
  • その煮干しに脂がどれくらい残っているか
  • 厨房のどのあたりに置いてあるか

同じ「常温」という言葉でも、冬の冷えた倉庫と、夏の厨房のコンロのそばでは、まるで違う条件です。ですので「常温なら○日」という数字を当店が決めて出しても、当てになりません。

そのかわりに申し上げられるのは、温度が高いほど酸化が早く進むという向きです。冷蔵庫に入れれば遅くなり、冷凍庫に入れればもっと遅くなります。日数を数えるより、この向きに沿って置いていただくほうが確かです。

未開封のまま、長く置いていたものは

棚の奥から、いつ買ったか分からない袋が出てくることがあると思います。そんなときも、見ていただくところは変わりません。

見るところ 判断
カビが出ている 使わないでください
匂いが強くなっている 脂の酸化が進んでいます
どちらもない 状態としては保たれています

賞味期限の表示は、冷蔵で置いていただいた場合の目安としてお付けしているものです。常温の棚に置いてあった袋については、表示の日付が残っていても、上の二つで見ていただくほうが確かです。

逆に、冷蔵や冷凍でしっかり密閉して置いてあったものは、表示の日を少し過ぎていても状態が保たれていることがあります。ただしそこは、最後はお店の方の判断になるところです。当店から「大丈夫です」と申し上げられる話ではありませんので、上の二つで見ていただければと思います。

どの煮干しが、いちばん気をつかうか

同じ煮干しでも、置き方に気をつかう度合いは少し違います。目安になるのは脂です。

先に書いたとおり、煮干しの劣化の多くは脂の酸化です。ですので、脂の残っているものほど、置き方が効いてきます。

たとえば瀬戸内のものは、脂が乗りやすい傾向があります。当店はそこを見て、秋以降の脂が抜けた時期のものを選んで仕入れていますので、棚に並んでいるものは脂を抜いた状態のものです。それでも、丸のままの魚である以上、脂はゼロにはなりません。

もう一つ、大きさも効きます。小さいものほど身が薄く、まわりの空気の影響を受けやすくなります。かえりのような小さなものや、細かく割れているものは、同じ袋に入っていても変わり方が少し早いとお考えください。

ただし、どれも冷蔵で密閉されていれば、大きな差にはなりません。差が出るのは、常温の棚に置いたときです。置き方さえ揃えていただければ、種類ごとの違いを細かく気にしていただく必要はありません。

季節ごとに、見ていただきたいこと

一年のうちで、気をつける向きが少し変わります。

季節 効いてくるもの 見ていただきたいこと
梅雨 湿気 いちばんカビの出やすい時期です。密閉を確かめてください
夏 温度と湿気 常温の棚は置き場になりません。その日のうちに冷蔵庫へ
秋 比較的おだやか 棚の奥に古いものが残っていないか、見直す時期に向きます
冬 暖房 厨房は冬でも暖かくなります。常温は季節の話ではありません

この表でお伝えしたいのは、「夏だけ気をつければよい」というものではないということです。厨房は一年じゅう火と湯気を使う場所ですので、外の気温とは別に、いつも温かく湿っています。

冷蔵庫に入れておく、という一つの決めごとで、季節の差をまとめて越えられます。

サバ節と宗田節は、もっと気をつかいます

煮干し以外のものも同じ冷蔵庫に入れておられると思いますので、一言だけ書いておきます。

サバ節と宗田節は、当店の扱っているものの中でもとくにカビの生えやすいものです。お手元に届いたら、まず冷蔵庫か冷凍庫に入れてください。夏場は、常温の棚に数日置いただけで変わってしまうことがあります。

いわし節やうるめ節も、脂の乗った魚を燻製にして作るものですので、脂のぶんだけ気をつかいます。当店が扱う節は脂が多く柔らかめのものですから、なおさらです。

カビや虫が出てしまったときの対処は、別の記事にまとめてあります。

ほかの素材と並べると、こうなります

冷蔵庫には煮干しだけを入れておられるわけではないと思いますので、当店の主な素材を並べておきます。

素材 置き場所 とくに気をつけること
煮干し 冷蔵(冷凍がより確実) 脂の酸化と湿気。密閉して入れる
サバ節・宗田節 冷蔵か冷凍 とくにカビが出やすいもの。届いたらすぐに
いわし節・うるめ節 冷蔵か冷凍 脂の乗った魚を燻製にしたもの。脂のぶん気をつかう
粉末・パウダー 冷蔵か冷凍 面が広いぶん早い。開けたら密閉
昆布 密閉して、湿気のない場所 湿気を吸うとぬめりが出やすくなります
冷凍でお届けするもの 冷凍のまま 解凍と再冷凍をしない

素材ごとの扱いをもっとくわしく知りたい方は、だし用乾物の保存の記事にまとめてあります。この記事は煮干しに絞って書いていますので、昆布や節のことは、そちらをご覧ください。

最後まで-25℃で持っているものは、別の扱いです

当店の商品には、乾物とは扱いの違うものがあります。出荷まで一度も温度を上げないものです。

これらは、当店の営業冷蔵庫でも自社の冷蔵庫でも-25℃のまま、出荷まで温度を上げずに持っています。お手元に届きましたら、そのまま冷凍庫へお入れください。お届けの便がどうなるかは、それぞれの商品ページに書いてあります。

いちばん気をつけていただきたいのは、解凍と再冷凍です。いったん溶けたものをもう一度凍らせると、身の中に大きな氷の粒ができて、食感が変わってしまいます。必要な分だけ取り出して、残りは凍ったままにしておいてください。

ここでも、考え方は煮干しと同じです。使う分だけ出して、すぐしまう。

粉とパウダーは、もっと早く変わります

煮干し粉やパウダーをお使いの方は、丸のままの煮干しよりも気をつけていただく必要があります。

理由は単純で、空気に触れる面が広いからです。丸のままなら表面だけだったものが、粉になると全部が表面のようなものになります。そのぶん、酸化も湿気も早く効きます。

粉は湿気を吸うと固まります。固まっただけなら味が大きく変わっているとは限りませんが、それだけ湿気を吸ったという合図ですので、置き方を見直す機会と思っていただければと思います。

もう一つ、粉には匂いを吸いやすいという性質もあります。面が広いということは、空気とたくさん触れるということですので、湿気も匂いも、丸のままより早く入ってきます。冷蔵庫の中でほかの食材と並べておくときは、とくに密閉を確かめてください。

当店は、煮干し粉とパウダーで細かさの違うものをご用意しています。細かいものほど面が広くなりますので、細かいものほど、置き方が効いてきます。いちばん細かいパウダーをお使いの方は、開けたらすぐ密閉、を習慣にしていただけると安心です。

当店の粉とパウダーは、原料をそのまま粉にしただけのものです。だしを取ったあとに加工した顆粒だしとは別のものですので、保管の考え方は、粉になる前の煮干しと同じとお考えください。開けたら密閉して、冷蔵か冷凍へ。

先に入れたものから、先に使う

まとめてお持ちのお客様には、もう一つだけ。

冷蔵庫や冷凍庫に何袋か入っているとき、先に入れたものから先に使うという順番を決めておいていただけると、古いものが奥に残り続けることがなくなります。

当たり前のようでいて、忙しい厨房では手前の袋から取ってしまうものです。袋に届いた日を書いておくだけでも、ずいぶん違います。

もう一つ、容量の選び方も効きます。使い切るのに何か月もかかる量をまとめてお持ちになるより、回るくらいの量でこまめにお持ちいただくほうが、いつも新しいものをお使いいただけます。まとめ買いの考え方は別の記事に書いてあります。

選んだものを、棚で落とさないために

最後に、当店がこの話を大事にしている理由を書かせてください。

煮干しの値は、何段にも分かれています。産地の違い、大きさの違い、等級の違い。値の決まり方は別の記事にくわしく書きましたが、一箱の中身を揃えるために、たくさんの手間がかかっています。

その手間をかけて選んだものが、厨房の棚に置かれた三か月で、静かに落ちていくことがあります。脂が回って油臭くなり、湿気を吸ってしんなりしてしまえば、どれだけ良いものを選んでも、届いたときの味では使えません。

これはお客様にとっても、当店にとっても、もったいないことです。

当店が魚の痩せた時期を狙って仕入れ、出荷の直前まで冷凍で持っているのは、お客様の厨房に届いた時点の状態を、できるだけ良くしておきたいからです。だしの質は、届くまでの間に決まっていますと書いたこともあります。

そして、届いてからの分は、お店の冷蔵庫でつないでいただくことになります。ここを書いておかないと、当店の手間が最後のところで消えてしまいます。それで、この記事を書きました。

よくいただくお尋ね

冷凍すると、味が落ちませんか

いいえ。当店は、出荷の直前まで冷凍で持っています。味が落ちるのであれば、当店がそうしておりません。

むしろ、常温に置いておくほうが味は落ちていきます。乾物は腐るわけではありませんが、味は静かに変わっていきます。そこを止めるのが低い温度です。

未開封なら、常温でも半年持ちますか

商品ページの「半年」は、冷蔵で置いていただいた場合の数字です。常温での日数は、当店からはお出ししておりません。上に書いたとおり、条件で変わりすぎるためです。

冷蔵庫のほかの匂いが移ってしまいました

煮干しはまわりの匂いをよく吸います。密閉していただくことで止まります。ジッパー付きの袋なら空気を抜いてから、容器なら蓋のきちんと閉まるものをお選びください。

逆に、煮干しの匂いがほかのものへ移ることもあります。密閉は、どちらの向きにも効きます。

袋を開けて、身が少ししんなりしています

湿気を吸っています。置き場所と密閉を見直していただく合図とお考えください。カビが出ていなくて、匂いも強くなっていなければ、状態としてはまだ保たれています。

粉が固まってしまいました

湿気を吸って固まったものです。粉は丸のままより湿気を吸いやすいので、開けたら密閉して、冷蔵か冷凍に入れていただくのが確かです。

届いた袋が破れていました

お手数ですが、お知らせください。輸送の間のことですので、こちらで承ります。商品そのもののことでしたら、いつでもお答えできます。

当店は、こうして保管してお届けしています

お客様にお願いしている以上、当店がどうしているかも書いておきます。

煮干しと粉類は、営業冷蔵庫では-25℃、自社の冷蔵庫では出荷の直前まで-15℃で持っています。乾物だからといって常温に置きっぱなしにはしていません。

当店がここにこだわるのには、事情があります。私の実家がもともと冷凍保管業を営んでおりまして、温度の変化や温度の管理には慣れているのです。乾物なのに冷凍で保管している理由は、別の記事にくわしく書いてあります。

ですので、お手元に届いた時点の煮干しは、低い温度で保たれてきたものです。そこから先は、お店の冷蔵庫でつないでいただく形になります。

ひとことでいうと、温度と空気です

ここまで長く書きましたが、覚えていただくことは二つだけです。

温度を下げる。そして、できるだけ空気に触れさせない。

温度を下げれば脂の酸化が遅くなり、空気を遮れば湿気とカビと匂いを止められます。煮干しが悪くなっていく道筋は、この二つでほとんど押さえられます。

冷蔵庫に入れて、袋の口を閉じる。それだけのことですが、それだけで味の残り方が変わります。段ボールに直接入っているものは箱を閉じきれませんので、そこは冷蔵庫に入れていただくところまでで十分です。

まとめ ── 見ていただく四つ

見るところ 当店のお答え
置き場所 冷蔵が基本。冷凍がいちばん確実
密閉 袋のものは、保管されるときに口を閉じてください。段ボール直接のものは密閉できませんので、匂いが気になるときは入れ物へ
出し入れ 使う分だけ出して、すぐしまう
傷みの見分け カビが出ている/匂いが強くなっている

賞味期限は未開封で冷蔵で半年。開封後の日数は、扱い方で変わりますので当店からは申し上げません。そのかわり、冷蔵と密閉が揃っていればかなり長持ちする、とお伝えしています。

当店は原料をお納めする問屋ですので、味づくりのご提案まではしておりません。そのかわり、産地・原材料・加工地・賞味期限・保管方法・荷姿は、それぞれの商品ページにすべて書き出しています。在庫と次回入荷の見込み、規格のことも、いつでもお答えできます。どの煮干しをどうお使いになるかは、お店の方がお決めになるところです。そのための材料を隠さずに並べておくのが、私どもの仕事だと思っています。

煮干しをご覧になるには

あわせてお読みください

だし・乾物・冷凍魚介類を業務用価格で卸売中! まとめ買い・業務用サイズも豊富にご用意しています 本店で商品を見る >