エビの乾物と粉は、当店でいちばん種類が多い棚のひとつです。干し小エビ、干しむきエビ、干し桜えび、甘エビの頭、それに五種類のエビパウダー。はじめてご覧になった方が迷われるのは、当然だと思います。
選び方には、ひとつはっきりした軸があります。エビのどの部分を使っているかです。頭なのか、むき身なのか、殻なのか、まるごとなのか。ここが違うと、同じ「エビ」でも出てくる香りと味が別のものになります。
その部分の違いは、当店の商品ページに一つずつ書いてあります。この記事では、それを一枚に並べてご覧いただけるようにまとめました。
まず「形のあるもの」か「粉」かで分かれます
大きく二つに分かれます。形が残っているものと、粉にしたものです。
| 種類 | 向いている使い方 |
|---|---|
| 形のあるもの(干しエビ、桜えび、甘エビ頭) | 具材として見せたい。戻し汁でだしを取りたい |
| 粉(エビパウダー、カニパウダー) | スープに溶かし込みたい。時間をかけずに風味を足したい |
粉にする作業を厨房でしなくて済むのが粉末です。逆に、皿の上に姿を見せたいのであれば、粉では代わりになりません。
形のあるものは干しエビ、乾燥エビと海老の頭、甘エビ頭に、粉はエビパウダー、カニパウダーに並べてあります。
頭を使うもの ── 甘エビの頭
海老の頭(甘エビ頭)は、刺身用に使われる甘エビ(ホッコク赤エビ)の、頭だけを集めたものです。産地はグリーンランド・カナダ、加工地は日本・中国。原材料はホッコク赤エビだけです。
頭にはミソが詰まっています。ここから、濃厚でエビらしい香りの強いだしが取れます。エビ風味のスープやエビ油をつくるお店には、これに代わるものがありません。
身を取るときに頭から完全に外れず、頭のほうに身と殻が残っていることがあります。これは不良ではありません。そのぶん、だしが濃く出ます。
この商品だけは冷凍です。甘エビの頭は鮮度が落ちやすい部位で、急速個別凍結(IQF)ができる工場で加工することによって鮮度を保っています。一つひとつがバラバラに凍っていますので、使う分だけ取り出せます。塊で凍っているものは、少しだけ使いたいときに全部を解凍することになります。
ひとつだけ、必ずお願いしたいことがあります。使う前に冷蔵庫で解凍して、ドリップを切ってからお使いください。解凍して出てくる水分には臭みがあります。冷凍のまま鍋に入れて煮立たせると、その臭みがそのままスープに移ります。このひと手間だけで、仕上がりが変わります。
まるごと使うもの ── 干し小エビとエビパウダー
殻ごと、まるごと乾かしたものです。
干し小エビはベトナム産のアキアミエビを、殻付きのまま乾燥させたものです。だしを取る、かき揚げ、お好み焼き、炒め物の彩りに向きます。
これを粉にしたのがエビパウダーです。ただし当店のエビパウダーはベトナム産ではなく、中国産のアキアミエビを干しエビにしてから粉にしています。中国産のアキアミエビには瀬戸内産のアキアミエビに似た甘みとコクがあり、当店が中国産を選んでいるのはこのためです。アキアミエビはベトナムでも多く獲れますが、味の出方が違います。
同じ棚に焼きつるつるエビパウダーもあります。原料はナイカイスジエビで、「つるつるエビ」は地方での呼び名です。甘みと香りがいちばん良いものです。
むき身を使うもの ── 干しむきエビとむきエビパウダー
殻をむいて乾燥させたものです。具材として食べる用途、中華の炒め物、炊き込みご飯に向きます。
干しむきエビは中国産とインドネシア産があり、どちらも原材料はピンクエビと塩です。「上」がついているものは、大きさや形が揃っていて見た目がきれいなものを指します。「上」は見た目のことです。料理の上に乗せる、そのまま見せる使い方に向きます。スープに溶かす、粉にする、生地に混ぜ込むといった使い方でしたら、「上」でないもので足ります。
粉のほうはむきエビパウダーです。ホワイトエビ・ピンクエビのむき身を丸ごと粉砕したもので、産地はベトナム。むき身が原料ですので、甘みが強く出ます。
殻と頭を使うもの ── アカエビパウダー
アカエビパウダーは、台湾産のアカエビをむき身にしたときに出る、殻と頭を粉にしたものです。原材料はアカエビと塩。
むき身のパウダーが甘みなら、こちらは塩味がはっきり出ます。同じアカエビでも、身を使うか殻と頭を使うかで、これだけ方向が変わります。
【大事なところ】塩味が出るものがあります
エビの粉のなかで、むきエビパウダーとアカエビパウダーには、パウダー自体に塩味があります。ほかのエビパウダーはそうではありません。カニパウダーにも塩味があります。
この三つをお使いになるときは、塩加減を後から決めていただくのが安全です。先に塩を決めてしまうと、辛くなることがあります。
原材料の欄を見ていただくと分かります。「ピンクエビ、塩」「アカエビ・塩」「ワタリガニ、塩」と、塩が書いてあるものが該当します。
桜えびは、別ものとして考えてください
透き通った紅色と、独特の甘い香り。これが桜えびの持ち味で、ほかのエビでは代わりになりません。殻がやわらかく、そのまま召し上がれます。
当店の干し桜えびは台湾産です。国産の桜えびをお探しでしたら、このページではご期待に沿えません。先に申し上げておきます。
桜えびといえば静岡・駿河湾が有名で、日本国内で水揚げされる桜えびはそのすべてが駿河湾産です。あまり知られていませんが、台湾にもこれとまったく同じ種類の桜えびが生息しています。同じ種類ですので、香りも色も変わりません。
「通常」と「大」の二種類があります。「大」は通常の台湾産よりも大きく、色がかなり赤いのが特徴です。ただし欠点もあります。大きいぶん殻が少し硬く、そのまま散らして召し上がる料理では口に残ることがあります。衣に入れる、火を通す、細かく刻むといった使い方であれば、硬さは気になりません。
粉にした桜えびパウダーもあります。原料は桜えびのブロークン(折れたもの)とヒゲです。桜えびの風味を、本体を使わずに出したいときのためのものです。
カニは、エビとは別の方向です
カニパウダーは、生きたままのワタリガニを素早く塩水でボイルし、天日で乾燥させてから粉末にしたものです。原材料はワタリガニと塩だけで、香料などは入っていません。
だしを取るというより、味そのものを足す食材です。濃厚ですので、入れすぎると他の素材の味を消してしまいます。はじめてお使いになる場合は、想定より少なめから試して、足しながら合わせてください。
エビとカニを合わせると、甲殻の厚みが出ます。どちらか一方だけで決めず、組み合わせでお試しいただくのもよいと思います。
なお、カニ煮干しはただいまお取り扱いしておりません。
着色と無着色について
干しエビには、赤く着色したものと、着色していないものがあります。当店では両方を別のページに分けています。
| 種類 | 向いている使い方 |
|---|---|
| 着色 | 彩りを重視するとき。見せる料理、料理の上に散らす使い方 |
| 無着色 | 原材料表示に着色料を書きたくないとき。素材の色で仕上げたいとき |
どちらが良い悪いではなく、用途が違うだけです。着色したものの原材料欄には「アキアミエビ、赤色102号」と書いてあります。無着色は「アキアミエビ」だけです。
着色の干し小エビについては、はっきり申し上げておきたいことがあります。これは加工前の原料としてお使いいただく商品です。選別は現地で精査していますが、ゴミがまったくない状態にはなりません。目視で選ってからご利用ください。ご家庭でそのまま召し上がる商品ではありません。
産地と原材料の一覧
当店のエビ・カニの商品を、原材料と産地で並べました。すべて商品ページの規格表から写したものです。
| 商品 | 原材料 | 産地 | 加工地 |
|---|---|---|---|
| 海老の頭(甘エビ頭)IQF | ホッコク赤エビ(甘エビ) | グリーンランド・カナダ | 日本・中国 |
| 干し小エビ | アキアミエビ | ベトナム | ベトナム |
| 干し小エビ 着色 | アキアミエビ、赤色102号 | ベトナム | ベトナム |
| 干しむきエビ | ピンクエビ、塩 | 中国 | 中国 |
| 干しむきエビ 上 | ピンクエビ、塩 | インドネシア | インドネシア |
| 干し桜えび(通常・大) | 桜えび | 台湾 | 台湾 |
| エビパウダー | アキアミエビ | 中国 | 中国 |
| 焼きつるつるエビパウダー | えび(つるつるエビ) | 中国 | 中国 |
| むきエビパウダー | ピンクエビ、塩 | ベトナム | ベトナム |
| アカエビパウダー | アカエビ・塩 | 台湾 | 台湾 |
| 桜えびパウダー | 桜えび | 台湾 | 台湾 |
| カニパウダー | ワタリガニ、塩 | 中国 | 中国 |
国産のものはありません。先にお伝えしておいたほうが、お客様の時間を無駄にしないと考えました。
粉になると、何を粉にしたのかが見えなくなります
これは魚の粉でも同じことを書きました。エビの粉はなおさらです。むき身の粉も、殻と頭の粉も、見た目は同じ淡い赤い粉です。
だから当店では原料ごとにページを分け、何を粉にしたものかを一つずつ書いています。アカエビパウダーは殻と頭、桜えびパウダーはブロークンとヒゲ、むきエビパウダーはむき身を丸ごと、というように。
同じ「エビの粉」でも、原料が違えば味も香りも別物です。原材料の欄を見ていただくのが、いちばん確かな手がかりになります。魚の粉についても魚粉・節粉の選び方に同じ考え方でまとめてあります。
保管のこと
賞味期限は、干しエビ類・エビパウダー類・カニパウダーとも、いずれも冷蔵で半年です。甘エビの頭だけは冷凍品ですので、冷凍庫で半年になります。
乾物ですが、当店では冷蔵での保管をおすすめしています。冷凍であればさらに安心です。当店の在庫は営業冷蔵庫・自社冷蔵庫とも-25℃以下で保管しており、常温に長く置かれたものにありがちな香りの抜けがありません。
甲殻の粉は、香りが命です。ここが落ちると、量を増やしても同じ味にはなりません。お手元でも、一度に使い切れない量でしたら小分けにしていただくと、開け閉めのたびに全部が空気に触れずにすみます。
保存についてはだし用乾物の正しい保存方法にもまとめてあります。
呼び方がいろいろあります
干したエビには呼び方がたくさんあります。干しエビ、干し海老、乾燥エビ、干し小エビ、ほしえび、乾燥えび、干し小海老。中華では、干したむきエビを「蝦米(シャーミー)」と呼びます。
粉にしたものも同じで、「えび粉」「海老粉」「かに粉」とお探しになる方がいらっしゃいます。当店の商品名は「エビパウダー」「カニパウダー」ですが、どの言葉でお探しでも同じ売り場に着くようにしてあります。
呼び方については「シャーミー」「アキアミ」|干しエビの呼び方を整理しますに詳しくまとめました。
もうひとつ。「干しエビ 冷凍」とお探しの方がいらっしゃいますが、当店の干しエビは乾燥させた乾物です。冷凍品ではありません。冷凍なのは甘エビの頭だけです。
まとめ ── どこを使っているかで選ぶ
| 出したいもの | 選ぶもの |
|---|---|
| 濃厚なエビの香り、エビ油 | 甘エビの頭(頭・ミソ) |
| 甘みとコクのある風味づけ | エビパウダー、焼きつるつるエビパウダー(まるごと) |
| 甘みを強く出したい | むきエビパウダー(むき身) |
| 塩味を含んだ厚み | アカエビパウダー(殻と頭) |
| 桜えびの香りと色 | 干し桜えび、桜えびパウダー |
| エビとは別の甘み | カニパウダー(ワタリガニ) |
| 具材として見せたい | 干し小エビ、干しむきエビ、干し桜えび |
どれが合うかは、実際に炊いてみないと分かりません。当店では容量をお選びいただけますので、少ない量からお試しいただけます。
売り場はこちらです。海老の頭、甘エビ頭/干しエビ、乾燥エビ/干しエビ(無着色)/干しエビ(着色)/干し桜えび/エビパウダー/むきエビパウダー/桜えびパウダー/カニパウダー/エビパウダー、カニパウダーの一覧
エビ・カニは特定原材料です。アレルギーの表示についてはアレルギー対応メニューとだし選びのポイントにまとめてあります。





