アレルギーに配慮したメニューをお作りになるとき、だしの原材料をどこまで把握できるかは、現場にとって切実な問題だと思います。
はじめにお断りしておきます。当店は乾物の問屋であって、アレルギーの専門家ではありません。ですので「この商品なら安心です」といった言い方はいたしません。ご提供の可否は、必ず各商品ページの原材料表示でご確認いただき、判断は御社でお願いいたします。
そのかわり、原材料についての事実でしたら、包み隠さずお伝えできます。名前が紛らわしいもの、どの商品に何が入っているか、中身をどう確かめられるか。この記事はそこに絞ります。
まず、名前が紛らわしいものを整理します
現場で混乱が起きやすいのが、名前だけでは分類が判断できない素材です。
アキアミはエビです。サクラエビ科に属します。干しエビに使われます。
おきあみは、エビとは別の分類です。エビやカニは十脚目ですが、おきあみはそこに入りません。ただし「エビではないから、エビアレルギーの方に出せる」ということにはなりません。
内閣府食品安全委員会のファクトシート(令和7年3月11日作成)には、えびアレルギーの方15名のうち4名(26.7%)がおきあみに交差反応を示したと記載されています。
さらに気をつけていただきたいのが、表示のことです。同じファクトシートに、おきあみ類は十脚目に含まれないため、特定原材料「えび」「かに」の表示義務の対象外と明記されています。つまり、おきあみを使っていても、原材料表示に「えび」とは出ません。
なお、当店ではおきあみを原料に使った商品はありません。そのうえで、エビアレルギーに対応されるメニューでは、おきあみもエビと同じ扱いにしていただくのが無難だと考えています。
名前が似ているというだけで判断すると、逆の答えになってしまいます。迷われたときは、名前ではなく原材料表示でご確認ください。ただし、いま書いたとおり、おきあみは表示に出ませんのでご注意ください。
「シャーミー」は商品名ではなく、呼び名です
もうひとつ、お問い合わせをいただくことがあるのがこれです。
「シャーミー」は、干しむきエビを指す用語です。いっぽう「ホワイトエビ」「ピンクエビ」は原料の名前です。呼び方の階層が違うだけで、同じものを指していることがあります。
商品説明で違う言葉が使われていても、食い違いではありません。ここも、判断は原材料表示でお願いいたします。
甲殻類を使っている商品
当店で甲殻類を使っているのは、次のあたりです。
原料の産地もお伝えしておきます。現在扱っている小エビはベトナム産だけ、桜えびは台湾産、むきえびは中国産とインドネシア産です。エビパウダーは中国産と台湾産、むきえびパウダーはベトナム産です。
なおカニパウダーは、名前が「パウダー」ですが粒は粗めです。カニを煮干しにしてから粉砕したものだからです。
貝類を使っている商品
干し貝柱については、イタヤ貝の乾燥貝柱のほうが、ホタテより甘味と旨味が強いというのが当店の考えです。老貝は繊維が細いため見た目が少し違いますが、味わいが濃い商品です。
しじみ粉末には添加物(調味料(アミノ酸)、酸化防止剤(ビタミンE))を使用しています。当店の粉末は原料をそのまま粉にしただけのものが中心ですが、これは例外です。ここははっきり書いておきます。
混合だしは、中身を目で見て確かめられます
配合された商品ほど、中に何が入っているかが分かりにくくなります。当店の混合だしは、そこに手を打ってあります。
あごだし混合だしと、かつお椎茸昆布だしは、だし袋に入れず、粉のままバラで袋詰めしています。「だしパックは中身が見えないので心配」という声にお応えするためです。袋を開ければ、何が入っているかを目で見て確かめていただけます。
あごだし混合だしの中身は6種類です。
- 長崎平戸産・牛深加工のあご煮干しを丸ごと粉砕した粉
- 枕崎産の鰹節の荒本を1本丸ごと粉砕したかつお粉
- 北海道産の昆布粉
- 牛深産のさば節粉
- 長崎・熊本産の煮干し粉
- 牛深産のアジ節
どれも当店が単品で販売している素材で、混合だし用に別のものを回してはいません。産地も加工地も単品と同じです。納入先へのご説明が必要な場合に、単品の商品ページをそのまま資料としてお使いいただけます。
いちばん大事なこと ― 煮干しには、エビやカニが混ざることがあります
ここは、当店として必ずお伝えしておかなければならないところです。理由がふたつあり、当てはまる商品が少し違います。
ひとつめは、混獲です。煮干しの原料になる魚は、エビやカニと一緒に獲れます。そのためごく稀に、エビやカニそのものが混ざっていることがあります。これは煮干し全般に当てはまります。
ふたつめは、魚が食べたものです。魚のお腹の中にエビやカニが入っていた、ということです。こちらは、内臓を取らずに丸ごと乾かしたものに限った話で、頭も腹ワタもないものには当てはまりません。当店で扱っているさば節・宗田節は腹も頭もありませんし、あご煮干しも大きなものは内臓を取っています。ただし、さば節粉やさばパウダーの原料には、頭付きの小さなさば節を使うことがあります。氷見産のあごは開いてありますので内臓は入っておらず、焼きあごははらわたを取り除いてあります。いっぽう、いわし・うるめ・イカ煮干しのように丸ごと乾かすものには、当てはまります。
つまり「原料は魚だから、甲殻類は関係ない」とは言い切れません。これは当店の管理が行き届いていないという話ではなく、天然のものを丸ごと乾かして使う以上、避けようがない性質のものです。
甲殻類のアレルギーに対応されるメニューでお使いになる場合は、頭と腹ワタのあるものは避け、頭や腹ワタを取り除いたものをお選びいただくほうが確実です。お使いになる前に、頭を取っていただくのも確実です。どの商品が該当するかは、各商品ページの原材料表示と商品説明でご確認ください。ここを伏せてお売りするわけにはいきませんので、はっきり書いております。
原材料についてのご質問に限り、お問い合わせを承ります。
「この商品に甲殻類が含まれているか」「頭や腹ワタを取り除いてあるか」といった、原材料と加工に関するご確認は、商品名をお知らせいただければお調べしてお答えします。
なお、ご提供の可否の判断そのものは、当店では行いかねます。原材料表示をご確認のうえ、御社でご判断をお願いいたします。
甲殻類・貝類を外して組む場合
甲殻類・貝類そのものを原料として使っていない素材は、当店では次のあたりになります。
ただしこれは「アレルゲンが含まれていない」という保証ではありません。とくに煮干しについては、ひとつ上の節に書いたとおり、混獲でエビ・カニが混ざる可能性があります。丸ごと乾かしたものは、魚が食べたエビ・カニが腹に残っていることもあります。
製造工程での取り扱いを含めてご確認が必要な場合は、各商品ページの記載をあわせてご確認ください。
現場での混入を防ぐこと
アレルギー対応と通常のメニューでだしを分けられる場合は、だしを取る鍋や、粉を計る器具を分けるといった工夫も現場では行われています。
ここは調理の運用のお話ですので、当店から手順を申し上げることはいたしません。素材の側でお伝えできることは、上に書いたとおりです。
まとめ
当店からお伝えできるのは、次のことです。
煮干しには、混獲によってごく稀にエビ・カニが混ざることがある。丸ごと乾かしたものは、魚が食べたエビ・カニが腹に残っていることもある。「魚だから関係ない」とは言い切れません。アレルゲンが心配な場合は、頭と腹ワタのあるものを避けるか、お使いになる前に頭を取っていただくのが確実です。
アキアミはエビ。おきあみは十脚目ではないが、えびアレルギーの方に交差反応の報告がある。しかも、おきあみは特定原材料「えび」「かに」の表示義務の対象外なので、原材料表示に「えび」とは出ない。当店ではおきあみを使った商品はないが、名前でも表示でも判断しきれない例として覚えておいていただきたい。
「シャーミー」は干しむきエビの呼び名。ホワイトエビ・ピンクエビは原料の名前で、同じものを指していることがある。
混合だしはバラ詰めで、中身が見える。あごだし混合だしの6種類は、産地も加工地も単品と同じ。
しじみ粉末には添加物を使用している。
そしてご提供の可否の判断は、必ず原材料表示でご確認のうえ、御社でお願いいたします。
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