当店の国産の昆布の中で、いちばん多くご注文をいただいているのが真昆布です。北海道の道南、尻岸内(しりきしない)の黒口浜の真昆布で、くせのない上品な甘みのだしが取れます。ラーメン店をはじめ、和食店、ホテル、旅館など、毎日たくさんの昆布だしを取るところで使われています。
いっぽうで、はじめてご覧になる方からは「真昆布は、利尻や羅臼とどう違いますか」「養殖の昆布ですが、だしは大丈夫ですか」「長さが45cmなのはなぜですか」というお尋ねをいただきます。ここでは、当店の真昆布がどんな昆布か、ほかの昆布との違い、業務用で選ばれている理由、扱い方を書きます。売り場は昆布、だし昆布、根昆布です。
当店の真昆布は、どんな昆布か
当店の真昆布は、北海道の道南、尻岸内の黒口浜で育てられた促成(養殖)の長切昆布です。もとは90cmの長さのものを、半分に切って長さ約45cmにしています。当店の規格表は、次のとおりです。
| 欄 | 真昆布 |
|---|---|
| 原材料 | 昆布(こんぶ) |
| 産地 | 北海道 |
| 加工地 | 北海道 |
| サイズ | 長さ約45cm |
| 容量 | 1kg/7.5kg/7.5kg×2箱 |
| 使用方法 | 通常のだし昆布と同様の出汁のとり方でお使いください |
| 賞味期限 | 冷暗所で半年 |
| 保管方法 | 高温多湿を避け、冷暗所で保管してください |
原材料は「昆布(こんぶ)」だけです。塩も、ほかのものも入っていません。採れた場所も、乾かして切りそろえた場所も北海道です。
だしの持ち味は、くせのない上品な甘み
真昆布のいちばんの持ち味は、香りがよく、くせのない上品な甘みです。角の立たない、まろやかなだしになります。
昆布の産地ごとの持ち味は、昆布の産地と等級の見方に一枚にまとめました。その中で、私は真昆布を「昆布だしの基準となる存在」としました。どの昆布にするか決まらないときは、まず真昆布でだしを取ってみて、そこから「もっと香りが欲しい」「もっと澄ませたい」と動かしていくと決まりやすいからです。
だしそのものの味を活かしたい吸い物、湯豆腐、おでんのような料理にも向きますし、煮干しや節と合わせたラーメンのスープの土台にも使われています。
真昆布と、ほかの昆布の違い
昆布は、産地の名前で売られています。当店で扱っている昆布を、だしの持ち味で並べると次のようになります。
| 昆布 | 産地 | だしの持ち味 |
|---|---|---|
| 真昆布 | 北海道(道南・尻岸内の黒口浜) | 上品で澄んだだし。甘みがある |
| 利尻昆布 | 北海道(利尻) | 澄んだだしで、香りが高い |
| 羅臼昆布 | 北海道(羅臼) | 濃厚で香りが強く、こくがある |
| だし昆布(道東産) | 北海道(釧路) | くせが少なく、澄んだだし |
| だし昆布(中国産) | 中国 | だしの出がよい。使う前に下ごしらえが要る |
利尻・羅臼・道東の昆布は、昆布、だし昆布、根昆布の売り場に並べています。
真昆布は、利尻ほど澄みきった方向でも、羅臼ほど濃い方向でもありません。甘みとまろやかさが真ん中にある昆布です。だから、ほかの素材と合わせたときにも、だしの邪魔をしにくいのだと思います。
中国産のだし昆布との違い
真昆布と、当店でいちばん多くご注文をいただいているだし昆布(中国産)は、どちらも養殖の昆布で、どちらも毎日たくさんだしを取るところで使われています。ただ、味は違います。真昆布の上品な甘みを求めるなら真昆布、費用を抑えて量を取りたいなら中国産、という分かれ方になります。
| 真昆布 | だし昆布(中国産) | |
|---|---|---|
| 産地 | 北海道(道南・尻岸内の黒口浜) | 中国 |
| だしの持ち味 | くせのない上品な甘み | だしの出がよく、費用を抑えやすい |
| 使う前 | 白い粉はうま味の成分なので、洗わない | 表面の汚れと塩分が国産より多いので、軽く水洗いするか、濡れ布巾で拭き取る |
| 長さ | 約45cmに切りそろえてある | 長い昆布を畳んで1kgずつ袋に |
中国産のだし昆布のことは、中国産のだし昆布とはにくわしく書きました。
「促成(養殖)」と書いてある理由
当店の真昆布は、促成(養殖)の昆布です。
ここからは、一般的な話です。昆布には、海で自然に育ったものを採る「天然」と、海にロープを張って育てる「養殖」があります。養殖の中でも、短い期間で育てて採るものを「促成」と呼んでいます。天然の昆布は、採れる量が年によって大きく変わります。養殖の昆布は、天然に比べると量がまとまりやすく、品物をそろえやすい昆布です。
「養殖ですが、だしは大丈夫ですか」というお尋ねには、私はいつも、こうお伝えしています。真昆布は香りがよく、くせのない上品な甘みのだしが取れます。養殖の昆布ですので、利尻や羅臼に比べてお求めやすく、たっぷりだしを使われるところに向いています。
天然か養殖かは、昆布の良し悪しを決めるものではありません。毎日、同じだしを、たくさん取る。そういう使い方に合うように選んでいるのが、当店の真昆布です。
なお、昆布の「等級」(1等、4等など)は、葉の幅や長さ、色つや、厚みによる見た目の格付けで、だしの出方をそのまま表すものではありません。くわしくは昆布の産地と等級の見方に書きました。
長さを約45cmにしている理由
真昆布は、もとは90cmの長さの「長切昆布」です。当店では、これを半分に切って約45cmにしています。
理由は二つです。
- 使いやすい。寸胴や鍋に入れるとき、いちいち切らずに済みます。
- 保管しやすい。90cmのままでは、置き場所を選びます。45cmなら、棚や箱に収まりやすくなります。
毎日だしを取る厨房では、こうした小さな手間の差が、積み重なると大きくなります。
業務用で選ばれている理由
真昆布は、ラーメン店をはじめ、和食店、ホテル、旅館で使われています。業務用のお手頃なだし昆布です。選ばれている理由をまとめると、次の三つです。
| 理由 | 中身 |
|---|---|
| だしの味 | 香りがよく、くせのない上品な甘み。ほかの素材と合わせても邪魔をしにくい |
| 使いやすさ | 約45cmに切りそろえてあり、使うのも置いておくのも楽 |
| 量を使える | 養殖の昆布で量がまとまりやすく、たっぷりだしを使うところに向く |
北海道の昆布の値段のこと(2026年10月現在)
北海道産の昆布は、記録的な不漁と原藻の価格の高騰が続いています(2026年10月現在)。当店の真昆布も、これを受けて価格を改めました。
真昆布の味が要るところは真昆布で、量を取るだしはだし昆布(中国産)で、という分け方をされるお店もあると思います。味は違いますので、お手元で比べてお決めください。
白い粉は、うま味の成分です
真昆布の表面に、白い粉が出ていることがあります。これはカビではなく、昆布のうま味の成分です。品質に差し支えはありません。
洗い流すと、うま味を落とすことになります。国産の昆布は、気になる汚れがあれば軽く拭く程度にして、白い粉は残したままお使いください。くわしくはだし用乾物のカビ・虫害トラブル対策に書きました。
だしの取り方
ふだんのだし昆布と同じように、だしを取ってください。特別な扱いは要りません。
水出しと火入れの考え方は、昆布だしの取り方にまとめました。かつお節と合わせるときの割合の考え方は昆布とかつお節の合わせだしに、昆布と節や煮干しを合わせる理由はうま味の相乗効果に書いています。
容量と荷姿
| 容量 | 荷姿 |
|---|---|
| 真昆布 1kg | 大きな袋に入れ、口をしばっています |
| 真昆布 7.5kg | 段ボールに直接お入れしています |
| 真昆布 7.5kg×2箱 | 段ボールに直接お入れしています |
7.5kgのように量が多いものほど、通気が要ります。そのため段ボールに直接お入れしています。段ボールは、食品を直接入れられる加工をしたものを使っています。
保管のこと
賞味期限は未開封で冷暗所で半年、保管は高温多湿を避け、冷暗所でです。
昆布は湿気を吸うと、やわらかくなったり、においを吸ったりします。開けたあとは、袋の口をきちんと閉じてください。乾物の保管の考え方は、だし用乾物の正しい保存方法にまとめました。
よくいただくお尋ね
Q. 真昆布は、どこの昆布ですか?
A. 北海道の道南、尻岸内(しりきしない)の黒口浜の真昆布です。産地も加工地も北海道です。
Q. 養殖ですか、天然ですか?
A. 促成(養殖)の長切昆布です。
Q. 長さはどれくらいですか?
A. 約45cmです。90cmのものを半分に切っています。
Q. 白い粉がついていますが、大丈夫ですか?
A. うま味の成分ですので、問題ありません。洗い流さずにお使いください。
Q. 利尻昆布や羅臼昆布とは、どう違いますか?
A. 利尻は澄んだだしで香りが高く、羅臼は濃厚でこくがあります。真昆布は、くせのない上品な甘みが持ち味です。
Q. 中国産のだし昆布とは、どう違いますか?
A. 味が違います。真昆布は上品な甘み、中国産はだしの出がよく、費用を抑えやすい昆布です。中国産は使う前に軽く水洗いするか、濡れ布巾で拭き取ってください。
Q. どんなお店で使われていますか?
A. ラーメン店をはじめ、和食店、ホテル、旅館で使われています。
迷ったときに見る、三つの欄
昆布を選ぶときは、商品ページの次の欄をご覧ください。
| 見る欄 | 分かること |
|---|---|
| 商品名と産地 | どの海の昆布か。だしの持ち味の方向が分かる |
| 商品説明の「養殖」「天然」 | 量がまとまりやすい昆布か、年によって変わる昆布か |
| サイズと荷姿 | 厨房での使いやすさと、置き場所 |
当店は原料をお納めする問屋ですので、味づくりのご提案まではしておりません。そのかわり、産地・加工地・原材料・長さは、商品ページにすべて書き出しています。お作りになるものに合わせてお選びいただけるよう、隠さずに並べておくのが、私どもの仕事だと思っています。
まとめ
- 当店の真昆布は、北海道の道南、尻岸内の黒口浜の促成(養殖)の長切昆布。原材料は昆布だけ
- だしは、香りがよく、くせのない上品な甘み。昆布だしの基準になる昆布
- 90cmを半分に切った約45cm。使いやすく、置きやすい
- 利尻は澄んだ香り、羅臼は濃いこく、中国産は量と費用。真昆布はそのまん中
- 白い粉はうま味の成分。洗わずにお使いください
- 保管は高温多湿を避け、冷暗所で。賞味期限は未開封で冷暗所で半年





