さば節とは|丸さば節と〆さば節、さば煮干しとの違い

さば節とは|丸さば節と〆さば節、さば煮干しとの違い

さば節は、さばを節にしたものです。そばつゆ、うどんのだし、ラーメンのスープと、濃いだしが求められる汁によく使われます。けれども、同じ「さば節」という名前でも、丸さば節と〆さば節があり、脂のあるものとないものがあり、頭と腹が付いているものと取ってあるものがあります。さば節とさば煮干しも、名前は似ていますが別のものです。この記事では、当店の商品ページの規格表をもとに、さば節がどんな節かを整理します。

さば節(牛深) 1kg 頭と腹を取った、形のあるままのさば節

はじめにお断りしておきたいこと

さばという魚のことや、節の一般的な作り方の話は、一般に言われていることをまとめたものです。当店は漁師でも節の職人でもありませんので、そうした話は「一般にそう言われている」という形で書いています。

いっぽう、当店のさば節が何からできていて、どこで加工され、どう扱っているかは、当店の商品のこととして確かにお伝えできます。この記事では、この二つを分けて書いていきます。

また、さば節をどれだけ入れて、何と合わせて、何分煮るかは、お店ごとの味づくりのお話です。そこは当店から申し上げることではありませんので、素材の側から見た話にとどめます。

さば節は、さばを節にしたものです

当店のさば節の原材料欄は、形によって書き方が違います。

商品 原材料欄
さば節(牛深)(形のあるもの) さば
さば節粉末 上 さばのふし
さば節パウダー さばのふし

形のある節は魚から作りますので、原材料欄には魚の名前を書きます。節を粉にしたものは節が原料ですので、「さばのふし」と書きます。一段さかのぼって、その商品が何からできているかを書くのが、原材料欄の決まりです。

節とは、燻して干し上げたもの

煮干しは、魚を茹でて干したものです。節は、茹でたあとに燻して干し上げたものです。この「燻す」工程があるかないかが、煮干しと節の分かれ目になります。燻すと香ばしさが付き、煮干しにありがちな臭みが少なくなります。

当店のさば節は、大きなさばを、はじめから節として仕上げたものです。煮て、燻して、干し上げています。

さばという魚

一般に、節にされるさばには、マサバとゴマサバがあり、節にはゴマサバが多く使われると言われています。当店の原材料欄は「さば」「さばのふし」という書き方で、どちらの種類かまでは書いていません。

丸さば節と〆さば節

さば節には、大きく二つの作り方があります。さば節粉末 上でも、こうお伝えしています。

中身 使われ方
丸さば節 干しあがったままの形をしたもの だし汁用の厚削りに向いている
〆さば節 さばに圧力をかけて脂抜きし、乾燥させたもの 削り花が白く見た目がきれいなため、混合削りなどに使われる

当店が扱っているのは、丸さば節です。 形のあるさば節(牛深)も、粉にしたさば節粉末 上・さば節パウダーも、丸さば節の本体を使っています。

〆さば節は、「圧搾さば」とも呼ばれます。脂を抜いてあるぶん、削ったときの見た目がきれいです。けれども、脂を抜くぶん、だしの味わいは丸さば節に及ばない、と私は感じています。いっぽう丸さば節は、だしを取るための節です。見た目を取るか、だしを取るかで作り方が分かれている、と考えると分かりやすいと思います。

さば節とさば煮干しは、別のものです

名前が似ているので、よく取り違えられます。当店の規格表を並べます。

さば節(牛深) さば煮干し
作り方 大きなさばを、はじめから節に仕上げたもの 塩を加えて茹で、干した煮干し。燻していません
原材料 さば さば、塩
産地 熊本県牛深 長崎県・熊本県
加工地 熊本県牛深 長崎県・熊本県
姿 頭と腹を取った節 頭付きの丸のまま。9cmから16cmくらい

いちばんの違いは燻製の香りです。節には燻した香りがあり、煮干しにはありません。原材料欄にも差が出ます。煮干しには「塩」が入り、節には入りません。

さば煮干しは、カタクチイワシの煮干しより苦味が少なく、コクと旨みのある風味で、ラーメンスープの定番の食材です。頭とはらわたを取らなくても、おいしいだしが取れる煮干しです。

粉にしたものも、節と煮干しで分かれています。

粉 原材料 当店の説明
さば節粉末 上 さばのふし さば煮干し粉末に比べると燻製の香りがあるが、癖は少なめ
さば煮干し粉末 さば、塩 カタクチイワシより苦味が少なく甘みのあるだし。後味がよく甘い香り

煮干しの粉と節の粉の違いについて、私はいつも、こうお伝えしています。

煮干しの粉と節の粉の決定的な違いはやはり燻製の過程でつく薫香です。でも煙臭いわけではなく魚と脂と燻製の香りが独特な味わいを作り上げます。

かつお節・宗田節とは、何が違うか

さば節を、ほかの節と並べるとこうなります。

節 当店の見方
かつお節 香り。すっきりしただし
さば節 厚み。濃厚でコクのあるだし。かつお節と合わせると、うま味に厚みが出る
宗田節 香りと甘みが強く、そばつゆの定番。さば節よりも個性がはっきりしている

かつお節が香りだとすれば、さば節は厚みです。合わせて使うと、味に土台ができる、というのが当店の見方です。宗田節と比べると、さば節のほうが個性は控えめです。

宗田節については、別の記事でくわしく書きました。

私の好み

店長のブログですので、ひとつだけ私の好みを書かせてください。私は、脂のあるさば節・いわし節・うるめ節の甘みが好きです。燻製の香りに、脂から来る甘みが重なるところです。

当店のさば節は、脂のある生原料から作っています

ここからが、当店のさば節のお話です。

削り節の原料には、脂のないさばが使われます

通常は、脂のないさばを削り節の原料にします。ただ、脂のないさばは、削り原料には適していますが、旨味が少ないのが実情です。
脂があると削りにくく、酸化もしやすいためです。削り節やパウダーの原料には、乾燥がよく、脂の少ない、硬い節が向いています。

当店は、脂の乗った生原料のさば節を選んでいます

けれども、うま味は脂のある節のほうが上です。脂の多い節は加工に向かないため、一般には流通しにくいのですが、だしを取る用途であれば、こちらのほうがおいしくなります。

さば節(牛深)は、牛深産の生原料のさばを節に加工したものです。脂の乗った生原料のさば節は、やはりコクがあっておいしいです。

当店のさば節は脂が多く、柔らかめです。手やハンマーで折れるほど柔らかいので、削らずにそのまま砕いてだしを取れます。脂があるぶん燻製との相性がよく、うま味が濃く出ます。

頭と腹を取ってあります

当店のさば節には、頭も腹も入っていません。節の部分だけです。

一般に出回っているさば節は、頭と腹が付いたままのものが多いのですが、当店のさば節(牛深)は、頭と腹を取った節です。

頭と腹を取っているので、頭付きのさば節に比べると、歩留まりは30%ほど悪くなります。そのうえ、取るための手間もかかります。この減った目方と手間を、当店では値段に乗せておりません。下ごしらえは当店が引き受けている仕事だと考えています。

同じ「さば節」という名前でも、中に何が入っているかで値段は変わります。お求めのときに中身を確かめていただくと、比べ方がはっきりします。

熱を二度加えていません

削り節や厚削りは、削る前に、削りやすくするために蒸します。削ったあとも、カビが生えないように乾燥機にかけて熱を加えます。この二度の熱で、どうしても味わいが抜けやすくなります。

当店のさば節は、削っていない、形のあるままの節です。熱を二度加える工程を通っていないので、さば節本来のコクのあるだしが取れます。粉にしたさば節粉末 上とさば節パウダーも、丸さば節の本体を粉にしたもので、削りではないため「火入れ」や乾燥の工程が要りません。そのぶん、香り高く仕上がっています。

4分割にしてから、30分以上煮出します

形のあるさば節は、そのまま鍋に入れても、だしが出にくいです。4分割にしてからお使いください。

  1. さば節は、真ん中の骨を境に、左右に簡単に半分に割れます
  2. 半分に割れたものを、腹と背に、さらに半分に割ります。これで4分割です
  3. 4分割にすると、手で簡単に細かく割れます
  4. 4分割してから、30分以上煮出して濃厚なだしをお取りください

金槌などで細かく割ってお使いいただくこともできます。中骨は硬いので、割るときには十分お気をつけください。

一般には、水に浸けてから火にかけ、沸いたあとは弱火で煮出すと、雑味が出にくいと言われます。当店のさば節・宗田節の一覧でも、「水に30分以上浸けてから火にかけ、沸騰後は弱火で。強く煮立たせると雑味が出ます」とお伝えしています。量と時間は、お店の味に合わせて決めていただくところです。

形は三つ。節・粉末 上・パウダー

形 産地 加工地 中身
さば節(牛深) 熊本県牛深 熊本県牛深 頭と腹を取った、形のあるままの丸さば節
さば節粉末 上 熊本県牛深 熊本県牛深(粉砕加工は鹿児島県枕崎) 上等の削り節になるさば節を、丸ごと粉にしたもの
さば節パウダー 熊本県牛深 鹿児島県 さば節を丸ごと微粉末にしたもの

さば節粉末 上の「上」

商品名の「上」は、当店が選んださば節を粉にしたものという意味です。以前は工場から仕入れた粉末も扱っていました。価格は抑えられましたが、品質が安定しなかったため、取り扱いをやめました。いまは、当店が原料を選んだものだけをお届けしています。

さば節粉末 上は、上等の削り節になるさば節を丸ごと粉にしているため、油分は少なめです。落ち粉を集めた一般的なさば節粉末とは、香りの高さが段違いです。粉にしてありますが、さばの身の性質上、完全な微粉末にはなっていません。

さば節パウダー

さば節パウダーは、粉末 上よりも乾燥がよく、粒子を細かく仕上げたものです。だしの出が早く、よく出ます。パウダーは、大きな工場で、工場側が選んだ原料を使い、より細かく仕上げたものです。粒子が細かく均一で、品質が安定しています。粒の均一さを大事にされる場合に向いています。粉末 上とパウダーは、細かさだけでなく、誰が原料を選んだかも違う、ということです。

出荷量の多い粉です

当店のだし・ラーメンスープ用食材の一覧でもお伝えしているとおり、粉の中で出荷量が多いのは煮干し粉(かたくち)、かつお粉 上、さば節パウダーの三つです。ただしこれは出荷量の話であって、お店に合うかどうかは別の話です。

粉の取り方

粉末とパウダーは、どちらも出汁袋などに入れて煮出してください。当店の粉・パウダーに共通する取り方は、次のとおりです。

  1. 出汁袋に入れて、水に5分から10分ほど浸けます
  2. 水から炊きます
  3. 煮立ったら、1分ほどで取り出します

粉は水に溶けません。 原料そのものを粉にしたもので、だしを取ったあとに加工してフリーズドライした顆粒だしとは別のものです。口当たりが気になる料理では、布や細かい網で濾してお使いください。

荷姿は、重さで変わります

形のあるさば節は、1kg・5kg・18kgの三つの規格があります。重さによって、入れ方が違います。

規格 荷姿
さば節(牛深) 1kg 袋に入れ、シーラーで閉じています
さば節(牛深) 5kg 大きな袋に入れ、口を折っています。湿気がこもらないよう、閉じていません
さば節(牛深) 18kg 段ボールに直接入れています。量が多いものほど通気が要るためです。段ボールは食品を直接入れられる加工をしたものです

18kgは140サイズでの発送で、冷凍便ではお送りできません。魚の脂が出ることがありますので、箱に染みがつくことがあります。脂のある節だからこそ、と受け止めていただけましたら幸いです。

さば節が使われている料理

使いみちは、次のとおりです。

ラーメンスープ、うどん、そば、おでん、鍋などの出汁に。

当店にそばつゆの材料としてご注文をいただくことが多いのは、さば節と宗田節です。うどんのだし、ラーメンのスープの話でも、さば節の名前はよく出てきます。

昆布と合わせること

一般に、昆布のうま味(グルタミン酸)と、節のうま味(イノシン酸)を合わせると、味が伸びると言われています。さば節も、昆布と合わせて使われることが多い節です。どれとどれをどう合わせるかは、お店ごとの味づくりのお話です。

向かないこと、気をつけていただきたいこと

  • 形のあるさば節は、すぐにはだしが出ません。 4分割にする手間と、30分以上の煮出しが要ります。時間をかけられない場面では、粉末 上かパウダーのほうが向いています
  • 中骨は硬いです。 割るときにはお気をつけください
  • 削り節のように、そのまま振りかける使い方には向きません。 当店のさば節は、だしを取るための節です
  • 粉は水に溶けません。 口当たりが気になる料理では濾してください
  • 火入れをしていないため、常温ではカビが出ることがあります。 さば節粉末 上は、とくにご注意ください
  • 見た目のきれいな削り花にはなりません。 当店は丸さば節ですので、〆さば節のような白い削り花を求める使い方には向きません

保管は、冷蔵で半年。冷凍がいちばんです

さば節は、節・粉末 上・パウダーとも、規格表の書き方が同じです。

欄 表示
賞味期限 冷蔵で半年
保管方法 乾物ですが、美味しさを保つ為に当社では冷蔵を推奨します。(冷凍がベストです)
当社での商品管理 営業冷蔵庫では-25℃以下、出荷直前まで-15℃で保管しています。

節は、酸化が進むと味が変わります。脂のある節は、なおさらです。当店が出荷直前まで冷凍で保管しているのは、このためです。

さば節と宗田節は、とくにカビが出やすい節です。お手元に届きましたら、冷蔵庫か冷凍庫へ入れてください。

よくいただくお尋ね

さば節と鯖節、サバ粉は同じものですか

さば節と鯖節は、書き方が違うだけで同じものです。サバ粉は、さば節を粉にしたものを指して使われることが多い言葉です。当店では、さば節粉末 上とさば節パウダーの名前でお出ししています。さば煮干しを粉にしたものはさば煮干し粉末で、別のものです。

さば節は、削らずに使えますか

当店の形のあるさば節は、削らずに使っていただく節です。4分割にしてから、30分以上煮出してください。

加工したさば節より、なぜ安いのですか

加工前の原料の状態での販売のため、加工したさば節厚削りよりもお求めやすい値段になっています。頭と腹を取る手間はかかっていますが、それでもお買い得な値段です。

〆さば節は扱っていますか

当店のさば節は、丸さば節です。〆さば節(圧搾さば)は扱っていません。脂を抜いた節は、だしを取る節とは使いみちが違うためです。

さば節とさば煮干し、どちらを選べばよいですか

燻製の香りがあるのが節、ないのが煮干しです。原材料欄の「塩」の有無でも見分けられます。どちらがお店の味に合うかは、お店の方がお決めになるところです。

まとめ ― さば節は、だしに厚みを出す節です

さば節について、当店がはっきり申し上げられることは次のとおりです。

  • 当店のさば節は、大きなさばをはじめから節に仕上げたもので、さば煮干しとは別のものであること
  • 丸さば節と〆さば節があり、当店は丸さば節であること
  • 当店のさば節は、脂の乗った牛深産の生原料から作っていること
  • 頭と腹を取ってあること。熱を二度加えていないこと
  • 形のある節は、4分割にしてから30分以上煮出すこと
  • 粉末 上とパウダーは出汁袋に入れて煮出すこと。水には溶けないこと
  • 賞味期限は冷蔵で半年。冷凍がいちばんで、とくにカビが出やすいこと

迷ったときに見る、三つの欄

見る欄 分かること
原材料 「さば」なら形のある節。「さばのふし」なら節の粉。「さば、塩」なら煮干し
商品名の「粉末 上」と「パウダー」 当店では、パウダーのほうが細かい
産地・加工地 さばが獲れた場所と、節や粉に仕上げた場所

当店は原料をお納めする問屋ですので、味づくりのご提案まではしておりません。そのかわり、上の三つは商品ページにすべて書き出しています。在庫と次回入荷の見込み、規格についても、いつでもお答えできます。お作りになるものに合わせてお選びいただけるよう、隠さずに並べておくのが、私どもの仕事だと思っています。

当店で扱っているさば節

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